「(でも、アイツ、どうして、『村井勉』という人のことを持ち出してきたんだ?いや、『村井勉』は、『アサヒビール』のことを云いたくて持ち出してきたんだ。だけど、問題は……)」
と、ビエール・トンミー氏は、今更ながらに、本来の問題を思い出したように思い、その思いをそのまま友人のエヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。
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「だけど、どうして、『アサヒビール』なんや?なんで、『アサヒビール』のこと、話さなあかんねん。ああ、アンサン、そういうたら、『Asahi』が直ぐ側や、云うてたな。『アサヒビール』の醸造所いうか工場が、アンサンちの近くにあったんかいな?いや、翠町に工場なんてあらへんやろ、住宅街やさかいな」
「ほうよねえ、当り前じゃろう。『キリンビール』は、昔、広島にも工場があったけど、安芸郡府中町じゃったあ思うけえ、ウチに近うはなかったんよ」
「また、関係あらへん『キリンビール』のことなんか云い出しよって。話を逸らすんやないで。『アサヒビール』の工場やなかったら、『アサヒビール』の販売所が近くにあったんか?いやいや、ビールの専売の販売所なんちゅうもんあらへんやろ」
「『Asahi』が直ぐ側や、云うたんは、『旭町』が近い、いうことじゃないねえ。もうちょっと正確に云うたら、『西旭町』が近かったんよ。ウチの東側の道路を挟んで隣がもう『西旭町』じゃったけえ。でものお、この道路一本の差が大きいんよ。『翠町』は、高級住宅街じゃけえ、地価が高いんよ。でも、『西旭町』の地価は、そうでもないんじゃと。道路一本の差で、町の名前が違うだけなんじゃけどのお」
「なんや、『Asahi』て、『アサヒビール』のことやないやんか!」
「アンタあ、『アサヒビール』、『アサヒビール』とくどいのお。『アサヒビール』の工場も販売所は、『旭町』にも『西旭町』にもなかったあ思うし、そもそも『アサヒビール』のことなんか話さんでええんよ」
「なんやて!」
「じゃけえ、ワシ、云うたじゃろうがいねえ。『Asahi』いうても『アサヒビール』のことでもないけえ、と云うたん、忘れんたん?」
「おお、せや、せや。問題は、『Asahi』や。でも、なんで『Asahi』なんや?」
「アンタあ、やっぱり大丈夫なん?いくら『レカネマブ』いう薬が承認されたあ、いうても、処方してもらうんには、検査してからじゃないといけんし、初めは、検査費用も薬価も安うはないじゃろうけえね」
「ゴチャゴチャ五月蝿いで。やからあ、なんで『Asahi』なんや?」
「ワシら、『Macintosh』の話しとったん覚えとらんの?」
「おお、せや、『Macintosh』の話や。でも、なんで、『Macintosh』で『Asahi』になるんや?」
「『ジョブズ』が付けるんじゃったら、『Asahi』じゃったかもしれん云うたじゃろうがいねえ」
「そや!『マッキントッシュ』がなんで、『Asahi』やねん?」
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「(アイツめえ、また、くどくどと『ビール』ネタを持ち出しやがって。ボクが、『ビール』に関しては、ちとウルサイ(詳しい)ことを知ってるからだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、ビールのジョッキから溢れんとする泡を思い出し、口を少し開けた。
(続く)
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