「(だけど、『三朝庵』は、閉店したのかあ。早稲田通りにあって有名な店だったんだが…)」
と、ビエール・トンミー氏が、『早稲田最老舗 おそば 三朝庵』と書かれた藍染の暖簾を思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏が、その暖簾をむしり取るようなiMessageを送ってきた。
====================================
「『ヨーロッパ軒』とか『三朝庵』とか、『ソースカツ丼』か『普通のカツ丼』かとか、そうようなことどうでもエエじゃないねえ。『カツ丼』の話、いい加減にせんねえ」
「なんやて!アンサンが『カツ丼」の話、始めたんやないけ!」
「そりゃ、アンタが『ちゃんとiMessageで証拠は上ってんのや』云うて、刑事の取り調べみたいにしてきたけえ、じゃったら、まず、カツ丼食べさせてえや、と云うただけじゃないねえ」
「そやったあ!せや、せや!『ダスキン』か『ラスキン』か忘れてもたけど、そのお人が、、林檎の『McIntosh』が好きやったさかい、『Macintosh』いう名前にした、と、アンサン云うたんや。エエか、『McIntosh』と『Macintosh』とはスペルがちゃうで。アンサンの説明、説明になってへんのや。『ダスキン』はんが、間違うて『McIntosh』を『Macintosh』にしてもうたとでも云うんかい?」
「『ジェフ・ラスキン』さんは、そうような間違いはせんするじゃあないじゃろ。まあ、よう聞きんさいや。先ずの、林檎の『McIntosh』は、カナダ人の農家の『John McIntosh』さんが見つけたけえ、そういう名前になったんよ」
「ああ、『John McIntosh』はんは、アイルランド系やったんやな。『イントッシュはんの子』いうことやな」
「それがのお、『John McIntosh』さんは、スコットランド系なんよ。確かに、『Mc』のつく名前は、アイルランド系が多いいみたいなんじゃけど、スコットランド系でも『Mc』とする場合があるらしいんよ。それにのお、『John McIntosh』さんの『McIntosh』は、『イントッシュの子』いう意味じゃないんじゃと。『McIntosh』は、元になるゲール語じゃと、『Mhic an Tòisich』で、これを英語風に読むと『Mac an Toisich』になって、そこから来とるらしいんよ。『Tòisich』は、『かしら』とか『領主』いうような意味で、『an』は多分、『~の』じゃけえ、『Mhic an Tòisich』は、『イントッシュの子』じゃのうて『領主の子』なんじゃと」
「また、なんかゴチャゴチャ説明しよるなあ。『John McIntosh』はんが、アイルランド系やのうてスコットランド系で、『McIntosh』が『イントッシュはんの子』やのうて『領主の子』でもエエがな。どっちゃにしても、『ダスキン』はんは、なんで好きな林檎の名前の『McIntosh』を自分が開発するパソコンの名前に付けるのに、『Macintosh』に変えてもうたんや?『John McIntosh』はんが、アイルランド系みたいな『McIntosh』いう名前やけど実はアイルランド系やさかい『Macintosh』に直したったあ、とでも云うんかい?そないな勝手なことで、エエんか!?」
====================================
「(アイツは、いつも込み入った事情説明をして、本質を誤魔化そう、話を反らせようとするが、そうはさせん!)」
と、ビエール・トンミー氏は息巻き、想像の中ながら、腕捲りをして戦闘モードに入った。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿