「(『ゼッケン』なんて関係ないというか、最近、あまり聞かない言葉を持ち出してきて、『69』とか『1919』なんてオゲレツな『ゼッケン』のアイコラでも作るつもりなんだろう)」
と、ビエール・トンミー氏が、見事に友人のエヴァンジェリスト氏の所業を見破った時、そのエヴァンジェリスト氏から、見破り返しのようなiMessageが届いた。
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「アンタあ、なんだかんだ云うて、オゲレツな番号の『ゼッケン』でも想像しとったんじゃないんねえ?」
「は!...そないな想像、しとらんて」
「アンタあ、『ゼッケン』いうて背番号いうか、スポーツ選手がつける番号のことじゃあ、思うとらん?」
「背番号やないんか?」
「まあ、背番号も『ゼッケン』なんじゃろうけど、本来の『ゼッケン』いうんは、スポーツ選手なんかが身に着ける選手を識別する為の番号を書いた布のことをいうみたいなんよ。駅伝なんかで選手が付けとるじゃろ」
「『ゼッケン』が背番号やろうと、背番号の付いた布やろうと、そないなこと、どうでもエエやないか。結局、おんなじようなもんやろに」
「アンタあ、『メルセデス』さんと『ふか~い』関係があったけえ、本来の『ゼッケン』のことを知っとったんじゃろうけどのお。『ゼッケン』は、ドイツ語の『Decken(デッケン)』からきた言葉らしいじゃないねえ。そのことを『メルセデス』さんに教えてもろうたんじゃろ」
「また『メルセデス』はんかいな。アンサン、ほんまシツコイでえ、『メルセデス』はん、『メルセデス』はん、て。『メルセデス』はん、ちゅうか、『ベンツ』とは確かに深い関係やけど、『ベンツ』には、ナンバー・プレートにナンバー(番号)が書いてあるで。でも、そりゃ、『ベンツ』に限らんと、クルマにはナンバー(番号)は付いとるやろ」
「ああ~!」
「なんや、いきなり。叫んどんのか、嘆いとるんか知らへんけど」
「ああ~!」
「やから、何なんや?どねしたんや?」
「ああ~!『ヒモ』くんじゃあ!」
「『ヒモ』くんは、『ゼッケン』やあらへん、というてたやないか。いや、ちゃう、ちゃう。『ゼッケン』やのうて…『ゼゲ…」
「アンタ、『ヒモ』くんが乗っとったクルマのナンバーのこと、思い出させんさんなやあ!」
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「(『ヒモ』くんが乗っていたクルマって、確か、『クラウン』の最上位車種の『Royal Saloon』だったと聞いたなあ。さすが立派な『ヒモ』だ)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の次兄である『ヒモ』くんの笑顔を眼前に浮かべた。
(続く)
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