2023年10月20日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その281)

 


「(ああ、いかん、いかん。『福邦銀行』とやらが問題ではないんだ。問題は、『カツ丼』だ)」


と、ビエール・トンミー氏が、『福邦銀行』から離れようとしたが、友人のエヴァンジェリスト氏は構わず『福邦銀行』を被せてくるiMessageを送ってきた。



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「あののお、福井県には、『福井銀行』いう地銀もあるんじゃけど、『福邦銀行』は『福井銀行』と経営統合したいうか、『福邦銀行』は『福井銀行』の子会社になったんよ。じゃけえ、『福邦銀行』は『福井銀行』と実質、一つの銀行になったんよ。それぞれのブランドは残すけえ、『福邦銀行』は『福邦銀行』のままじゃけど」

「ああ、そういうことなんやな。なのに、アンサン、『福邦銀行』は『福邦銀行』やけど、もう『福邦銀行』やあらへん、と面倒臭いいうか態と誤解を招くような云い方しよって。にしても、福井県には実質、『福井銀行』しかのうなったあいうことかいな。独占禁止法上、問題にならへんのか?」

「アンタあ、さすが天下の『ハンカチ大学』商学部出身のインテリじゃねえ。そうなんよ。そりゃ、金沢に本店を置く『北陸銀行』いう広域地銀があって、福井でも商売しとるけど、福井県に本店を置く地銀は、実質、一つだけになったんよ。こうようなことは、そう、独占禁止法的にワシは、好ましゅうない思うんじゃけど、長崎でこうようなことを認めてから、青森県とか長野県とか福岡県、神奈川県なんかで県内地銀の統合が進んでくるようになっとるんよ」

「ワテはよう知らんけど、銀行も経営が苦しいんやろな」

「でものお、長崎での『十八銀行』と『親和銀行』の合併は、本来、公正取引委員会が却下するはずじゃったみたいなんよ。もっと正確に云うと、『十八銀行』と『親和銀行』の合併じゃのうて、『十八銀行』と『ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)』(つまり、『福岡銀行』)との経営統合なんよ(『親和銀行』は、FFGの子会社じゃったんよ)」

「ああ、ワテ、福岡出身いうか、転勤で福岡に住んでたこともあるさかい『福岡銀行』は知ってるで」

「『十八銀行』と『親和銀行』が合併すると、長崎県内のシェアは、政府系金融機関を除くと90%以上になるけえ、大いに問題ありで、公正取引委員会の事務総長も2018年4月25日の記者会見の質疑応答で、統合案件の個別の審査の状況に関わる質問に具体的に答えるのは適当じゃない、としながらも、『私どもとしては,FFGと十八銀行との統合については随分以前から競争上の懸念があるということはお伝えしてきております』云うて、合併に否定的じゃったんよ」

「そりゃ、せやろなあ。独占はアカン。公正な競争がないとなあ」

「マスコミも合併は承認されんじゃろう(却下は時間の問題)、いう見方じゃったんよ。長崎県内でも、県内の地銀が『ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)』の傘下に入るいうことは、長崎県が福岡県の下に位置付けられるような感じになると反対する人もおったんよ。それが、公正取引委員会は、その後の記者会見から段々、ニュアンスが変ってきて、最終的には、貸出債権を他の金融機関に譲渡することを条件にして合併を認めたんよ。政治介入があったと云われとるし、そうじゃろうと思うんよ。で、合併後、今年(2023年)の2月の帝国データバンクの発表では、合併した銀行『十八親和銀行』の長崎県内のシェは84.3%もあるいうことじゃけえ、どうなんじゃろうねえ」

「アンサンの話聞いてると頭痛うなるで。一般読者もせやろな。でも、要するに、政治介入なんか。ワテ、そないなこと好きやないねん」


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「(なんか小難しい、ややこしい話をしてきやがった。銀行の『合併』のことに話を持ってきたので、その内、人間の『合併』というか『合体』へとオゲレツ展開を見せるんじゃないかと思っていたのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏が言及しなかった『合体』を思い浮かべてしまい、その像を消すように、左右に頭を振った。。



(続く)






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