「(『福井』という名前の人間は、あんまり知らないが、そう、確か日銀の総裁にいたような気がする。でも、ボクより歳上だったから、『優也』なんて今時の若者のような名前ではなかっただろう)」
と思ったビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に、『見透かしているぞ』というニュアンスを持つiMessageを送った。
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「どうせまた、その『福井ナンチャラ』いう男は、俳優でもしてんのやないんか?」
「何云うとるん!『福井優也』いうたら、我らが『カープ』にドラフト1位で入団した投手じゃないねえ。『カープ』の後、『楽天』に移籍して、今は独立リーグの『福島レッドホープス』で、今年、ノーヒット・ノーランもして頑張っとるんよ」
「なんや、野球選手かいな。知るかいな、そないな選手。ワテ、野球は『MLB』しか見まへんのや。それに、その『福井ナンチャラ』ちゅう選手のどこが、カツ丼と関係あんのや?カツ丼が好きちゅうだけのことやないやろな?」
「『福井優也』がカツ丼を好きかどうかまでは、ワシ、知らんよ。でも、『福井優也』とカツ丼が関係ないことはないじゃろうがあ」
「はあん?なんでや?」
「『福井優也』は、『早稲田大学』出身なんよ」
「おお、『ハンカチ大学』並みの名門大学やないか」
「それものお、『斎藤佑樹』とも同級生なんよ」
「今度は、『斎藤ナンチャラ』かいな。誰やそれ?『福井ナンチャラ』とか『斎藤ナンチャラ』とか、ワテ、興味あらへんし、一般読者はもっと興味あらへんで」
「一般読者?アンタあ、また妙なこと云うのお。それにしても、アンタ、『斎藤佑樹』知らんのん?『ハンカチ王子』じゃないねえ。甲子園で優勝した人気モンじゃったけえ、アンタでも知っとるじゃろ」
「うっ…『ハンカチ』…ああ、それやったら、知らんことはないなあ。でも、それが何なんや?」
「じゃけえ、『福井優也』も『斎藤佑樹』も『早稲田大学』出身なんよ。アンタも早稲田のことはよう知っとるんじゃないん?」
「…ま、知らんことはあらへんで」
「福井の『ソースカツ丼』も『早稲田』出身なんよ?」
「はあん?」
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「(どういうことだ?『ソースカツ丼』が『早稲田』出身?.)」
と、ビエール・トンミー氏は、よく知る早稲田の街を脳裡に浮かべ、『ソースカツ丼』の店を探してみた。
(続く)
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