「(あ、待てよ。でも、ひょっとしたら…)」
と、ビエール・トンミー氏は、思いついたことを、どうでもいいとは思いながらも、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageに書いた。
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「まあ、どうせ、『大林宣彦』はんのその映画の原作が、『山中ナントカ』いうお人やよとでもいうんやろ」
「なんねえ、アンタあ、知っとったんねえ。アンタあ、映画の『はるか、ノスタルジィ』も実は見たことあるんじゃろ?で、『んぐっ!』したんじゃろ!?」
「やめれ!その『んぐっ!』いうん、ワテ、大嫌いやねん!それに、その映画の『はるかナントカ』も、『山中ナントカ』いうお人の原作やったら、子ども向けやろ。そないな映画で、何で、『んぐっ!』すんねん?!」
「それがのお、子ども向けいうことでもないようで、『石田ひかり』が『ふぶく』みたいなんよ」
「はああ?『石田ひかり』は、はっきりは覚えとらんが、確か女優やろ?女優が『ふぶく』て、意味分らへん。『吹雪』の中のシーンでもあんのかいな?」
「やっぱりのお」
「はああん?何が、『やっぱり』やねん?」
「白々しいのお。『はるか、ノスタルジィ』の舞台、いうか、ロケ地は、『小樽』で、雪に埋もれた小樽の夜のシーンもあるみたいじゃねえ」
「おお、『小樽』が舞台なんやな。そないなこと、興味もないし、知らへんかったけど、『石田ひかり』が『吹雪』いとる『小樽』におって、何で、ワテが『んぐっ!』すんねや?」
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「(あ!しまった!また、アイツの罠に掛かってしまった)」
と、ビエール・トンミー氏は、苦々しい思いから左片頬を歪め、左瞼もギュッと閉めた。
(続く)
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