「(アイツは、昔も今も意外に出不精、というか、口だけで行動を起こさない男だから、『新島』に行ったこともないだろうし、『新島』がどんな島だったかも知らないんだろう)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に対して、少々優越感に浸りながら、『新島』を解説するiMessageを送った。
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「『新島』の海岸にはやなあ、ぎょうさん浮いてたとも云われてんのや」
「ぎょ、ぎょ、漁業協同組合!」
「くだらん駄洒落はやめれ、云うてるやろが」
「じゃけど、海岸にようけえ死体があったら、そりゃ、驚くじゃろうがあ」
「誰が、死体が浮かんでた、云うてんねん」
「アンタじゃ」
「ちゃうんや。浮いてたとも云われてんのは、『ゴム』や」
「ええー!『新島』じゃあ、灯油の給油は海岸でするん?」
「は?アンサン、何、云うてんのや?さっぱり分らへんで」
「じゃって、灯油券を束ねる輪ゴムが海岸にようけえ浮いとるんじゃろ?」
「アンサン、なんでも自分のことに話を強引に持ってくなあ。そりゃ、アンサンが、『スーパー・マン』として灯油の給油の仕事をする時に、灯油券をまとめるんに使う輪ゴムの話やろ。それに、ワテ、『ゴム』とは云うたけど、輪ゴムとは云うてへんで。気持ちようなる時に使う『ゴム』や。ま、ない方がもっと気持ちエエかもしれへんけど」
「え、え、ええー!コンドー…」
「やめれ、やめれ!それを口にすんやないで!オゲレツはあかん。品位のないBlogの品位がもっと下がるで」
「Blog?なんのことなん?いや、コンドー、そう、今度(コンド)は、アンタの云う『ゴム』がなんかわかった、云いたかったんよ」
「態とらしい奴っちゃなあ。まあ、分ったんならエエわ。せやねん。その『ゴム』がぎょうさん使われると云われる程、『新島』では男女の出会いがあった、いうか、男女が出会いを求めて集まる島やったあ、いうことやな」
「おお、『新島』はエエ島じゃねえ。ワシも行ってみょうかいねえ」
「エエ歳してアホ抜かすんやないで。それに、今でもそうかどうか知らへん。でも、昔は、『ナンパ島』とも云われてたんや。あ!」
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「(しまった。『ナンパ』なんて云うと、アイツ、今度は、『新島』に船が沢山、難破したのか、と云ってくるかもしれん)」
と、ビエール・トンミー氏は、警戒心から気持ち的にも肉体的にも身を固くした。
(続く)
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