「(アイツのことだ、放っておくと、今度は、100円ショップの話に持って行こうとするだろう)」
と思ったビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の機先を制して、『おお、それや!』と云った『それ』について、エヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。
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「電気や」
「いや、ダイソーやキャンドゥは、電気製品も置いとるけど、電器屋じゃないで」
「アンサン、アホか?」
「そうなんよ。アホか、いうような話があるんよ。地銀の営業店のある担当者がのお、取引先企業の町の電器屋さんの財務データ登録を本部に依頼する時に、業種を『電力事業業』としたんよ」
「は?なんや、それ?」
「の、変じゃろ?電器屋さんが『電力事業業』いうて、電気繋がりしかないけえ。財務分析をするんにゃあ、業種把握がちゃんとできとかんといけんのんよ。そのことは、天下の『ハンカチ大学』商学部出身のアンタにゃあ、『馬の耳に念仏』、あ、いや、『釈迦に説法』じゃねえ。『猿に木登り』、『河童に水練』『孔子に論語』、いやいや、『変態に「凶器」』じゃろうか」
「エエ加減にしてさらせよ!」
「でものお、業種の指定いうんは、意外に難しいんよ。実際にあった例なんじゃけど、ある洋品店があったんよ。で、地銀の営業店のその担当者は、業種を洋品店にしたんよ(小売業にしたんかもしれんけど)。でも正しい財務分析ができんかったんよ。なんでじゃ、思う?」
「知るかいな。でもあれやないんか?そう、洋品店の中に喫茶室でも作ったら、そっちの方が儲かるようになって、実態は飲食業やったあ、いうことなんかやないんか?」
「おお、アンタあ、さすがじゃあ!やっぱり、天下の『ハンカチ大学』商学部出身じゃねえ。洋品店が飲食業になったんじゃあなかったんじゃけど、そういうことなんよ。洋品店はそのまましとったし、会社名、店名もそのまま『XX洋品店』じゃったんじゃけど、別のところで、石油の卸売を始めて、そっちの方が商売が大きゅうなって、実態としては、まさに洋品店いうより石油の卸売になっとったあ、いうことなんよ。アンタあ、ほんと凄いのお!アンタの頭の横で、一休さんみたいに電球がピカッと光ったような気がしたで」
「お!それや!それやったんや!」
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「(アイツ、いつも巫山戯てるようで、実は、財務分析のことのように、妙に知識を持っているんだ。だけど、その知識から、いつも話を誤魔化してくるんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、眼前に浮かんで見える友人のエヴァンジェリスト氏が、回転しながら、真面目な顔と巫山戯た顔とを交互に見せているように感じた。
(続く)
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