チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】（その329）

 

「（いかん、いかん。そうだ、『移管』だ。）」

と、ビエール・トンミー氏は、脳裏に浮かぶ『細腕繁盛記』の映像と、耳朶付近で囁くように残る『新珠三千代』のオープニングのナレーションから、意識を取り戻すように口中で呟いた『いかん』という言葉から、話を元に戻す切っ掛けとなる言葉を思い出し、その言葉を友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageに打った。

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「『細腕繁盛記』はどうでもエエ。問題は、『移管』や。『伊豆諸島』が何故、静岡県ではのうて東京都なんかはようは知らへん。でも確か、静岡県やったこともあったようやけど、江戸時代から東京との結び付きが強うて、その内、東京都いうか、当時は、東京府やったあ思うけどやなあ、東京に移管されたんやったと思うで」

「おお、アンタあ、やっぱり『博識大王』じゃあ。いや、現代のまさに『知恵伊豆』じゃねえ」

「おお、『松平信綱』やな。でも、アンタ、『松平伊豆守信綱』を『伊豆』と関係あると思うてんのやないやろな？」

「え？関係ないん？」

「『松平信綱』はなあ、川越藩主やったんや。『伊豆』とは、な～んも関係あらへんのや。『伊豆守』とか『肥後守』とかは、『官職』名で、実際の領地とは関係ないねん」

「ええ、そうじゃったん！？アンタあ、本当になんでもよう知っとりんさるのお。やっぱり、『知恵伊豆』、いや、『知恵ビエ』じゃあ」

「『知恵ビエ』て、なんか『アマビエ』みたいやなあ」

「『アマビエ』いうたら、疫病を封じる妖怪、正義の妖怪じゃろ？アンタにぴったりじゃ。いや、アンタあ、アマチュアの『ビエール』じゃのうて、プロフェッショナルの『ビエール』じゃけえ、『プロビエ』じゃ。『アマビエ』よりずっと凄いけえ」

「なんやったら、今後、ワテのこと、『プロビエ』と呼んでもかめへんで」

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「（そうかあ、『アマビエ』は、コロナが流行って有名になったから知ったけど、『アマビエ』の『ビエ』をボクの『ビエール』の「ビエ』と結ぶ付ける発想はなかったなあ）」

と、ビエール・トンミー氏は、『へ』の字にした口に、自身の満足を見せた。

（続く）