「(あ!いかん、いかん。また、それこそ、アイツの『スライダー』に惑わされるところだった)」
と、ビエール・トンミー氏は、水に濡れた犬が頭をふるい落とすように、頭を左右に強く振り、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、矯正のiMessageを送った。
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「アンサン、エエ加減にしいや。もう、アンサンの『スライダー』には引っ掛からへんで。『オータニさん』の『スライダー』の話してんのやないんや」
「『千賀』の『お化けフォーク』のことを話しとるんでもないんじゃろ?あ、MLBじゃあ、『ゴースト・フォーク』云うんじゃったんかねえ?」
「『おばけ』でも『ゴースト』でも、同じやんけ。どっちゃでもかめへん」
「ちょっと、それはないじゃろう、『博識大王』アンタらしゅうないで。『ゴースト』いうたら、『幽霊』のことじゃろ?」
「それがなんやねん?」
「『幽霊』と『お化け』は違うんじゃないん?」
「なんかまた、ゴチャゴチャ云うつもりやな」
「『幽霊』は、死んだ人が人間の形で(足はないんかもしれんけど)、『うらめしやあ~』云うてドロドロ出てくるもんじゃろ?」
「見たことあらへんさかい、知らんで」
「『お化け』は、よう分らんもん怪しい姿をしたもんで、すっごい大きかったり、すっごい変な形をしとって、人間は、見たこともないけえ、なんか恐ろしゅう感じるもんなんじゃないんかあ思うんよ」
「勝手に思えばええやないか」
「じゃけえ、『千賀』の『お化けフォーク』のことを、アメリカで『ゴースト・フォーク』云うんは、ちょっと違うんじゃないんかあ思うんよ」
「あんなあ、そないなこと、どうでもエエやないか。でもやで、『ゴースト・バスターズ』に出てくる『ゴースト』は、『うらめしやあ~』云うような奴らやあらへんで。どっちか云うと、アンサンが云う『お化け』やな」
「ああ、ワシ、『ゴースト・バスターズ』はちょっとしか見たことないけえ、ようは知らんのんじゃけど、そうなんかもしれんねえ。アンタあ、さすが『博識大王』じゃねえ。『モアイ像』の『モアイ』も『ゴースト』なんじゃろうか?」
「『モアイ』?おお、『モアイ』、『モアイ』や!」
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「(ああ、そうだった!そうなんだ、『モアイ』のことを話したんだ!)」
と、ビエール・トンミー氏の頬は、その皮膚の下に、LED電球を仕込んだかのように、輝いた。
(続く)
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