2024年1月31日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その384)

 


「(ボクが『関係』を持った女性には、本当に『杉浦圭子』なんていなかったし、アイツは、ボクが『関係』を持った女性のことを、家内以外は知らないはずだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、『関係』を持った女性たちの顔を思い浮かべていると、未だ強い口調のiMessageが、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。



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「アンタ、『杉浦圭子』さんを知らんはずはないけえ!」

「せやから、知らへんて。身に覚えないで」

「それじゃ!それがけしからんのんよ」

「『それ』って?何や?」

「『身に覚えない』とか、『ふか~い』関係になったオナゴとか、そういうことを『杉浦圭子』さんのことで云うんは、失礼極まりないでえ。『杉浦圭子』さんは、聖職姿にもなったことがあるくらいじゃけえ。あ、『性職』姿じゃないけえね」

「アホか。ちゅうか、そもそも、ワテ、『杉浦圭子』はんて知らへんさかい、『聖職』姿になったか、『性職』姿になったか、分らんがな」

「『巫女』さんの姿になったんよ」



「は?なんでや?ま、どうでもエエけど」

「『週刊朝日』の表紙になったんよ」

「なんや、やっぱりゲーノー人か?せやから、ワテ、ゲーノー界のこと疎い云うてるやろ」

「『杉浦圭子』は、芸能人じゃないけえ。『週刊朝日』の表紙になったんは、大学生の時じゃけえ。早稲田大学に在学中に、『巫女』姿になって、『篠山紀信』に『写真撮ってもろうて、それが『週刊朝日』の表紙になったんよ」

「ああ、『週刊朝日』は昔、女子大生を表紙の写真にしとったなあ。確か、後にアナウンサーになった女子大生も多かったんんとちゃうかなあ」

「ほりゃ、アンタあ、やっぱり『杉浦圭子』のこと、知っとるんじゃないねえ」

「え?『杉浦圭子』はんて、アナウンサーか?」

「そうよねえ。NHKのアナウンサーで、紅白歌合戦の司会なんかもした有名な人じゃけえ。その人のことを、『身に覚えない』とか、『ふか~い』関係になったオナゴとか云うんは、やめんさいやあ」

「いや、ワテ、NHKのアナウンサーの『杉浦圭子』はんいうんも知らへんし、それに、『身に覚えない』もんは『身の覚えない』し、『ふか~い』関係になってへんもんはなってへんで。それに、アンサン、その『杉浦圭子』はんが、『巫女』姿で写真撮ったあ云うてるけど、『巫女』姿になっただけで、『巫女』さんやないやないのに、『聖職者』みたいなこと云うんは、可笑しいで」

「いやの、『杉浦圭子』の『巫女」姿は、ほんまの『巫女』さんみたいに清楚な感じじゃけえ、まあ、『聖職者』みたいなもんなんよ」

「苦しい言い逃れや。それにや、ワテ、『川の向こう』は、『広島』と認めとらんのや」


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「(そうなんだ。『川の向こう』側なんて、田舎だったんだ)」


と思うビエール・トンミー氏は、土手に登って、眼前に広がる大きな『あの川』を見ている中学生に戻っていた。


(続く)






2024年1月30日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その383)

 


「(『トラさん』を『寅さん』と思ったボクが甘かった。というか、『トラさん』が『寅さん』でも誰でもいいけど、どうして、『トラさん』という人物のことなんか話してたんだか….)」


と、ビエール・トンミー氏が、虎が蠢く沼の中に放り込まれている感に襲われていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、『虎』の文字の入ったiMessageが送られてきた。



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「アンタあ、『高野虎市』(こうの・とらいち)さん知らんのん?」

「誰や、それ?『高野虎市』はんなんか、知るかいな。云うてるやろ、ワテ、ゲーノー界のことは、興味のうて疎いねん。『高野虎市』なんちゅう、俳優か芸人か分からへんけど、ワテ、知らんねん」

「『高野虎市』は、『チャップリン』の運転手から秘書になって、更にゃあ、相続人の一人にもなったくらい、『チャップリン』のお気に入りじゃったみたいなんよ」

「へえ、そうかいな。そないな人物のことは知らへんかったで。けど、『高野虎市』はんがなんやちゅうねん?」

「アンタあ、『高野虎市』に冷たいのお」

「ワテとは関係あらへんさかいな」

「ええー!何、云うとるん!『高野虎市』は、アンタとも関係深いじゃないねえ」

「ワテの親戚にも、知合いにも、『高野』いう名前の人も『虎市』ちゅう人物もおらへんで」

「親戚でも知合いでもないかもしれんけど、『高野虎市』は、広島出身なんよ。今の広島市安佐南区八木の出身なんじゃと。元は、人間じゃのうて、今の広島市安佐南区におった『ヤギ』じゃったあ、云うんじゃねいけえね」



「ほんまエエ加減にしいや。でもやなあ、広島出身やとしても、それでワシと関係深いとはならんへんで」

「『八木』は、ワシが住んどった『翠町』より、アンタが住んどった『牛田』の方が近いんよ」

「それも強引やなあ」

「それにのお、『八木』の出身いうたら、『杉浦圭子』さんも『八木』の出身なんじゃと」

「『杉浦圭子』?ワテと『ふか~い』関係になったオナゴに、『杉浦』いうんも『圭子』いうんもいてへんかったはずや」

「アンタあ!ワシ、怒るでえ!!!!!」


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「(な、な、ななな、なんだ!?何故、ボクがアイツに怒られないといけないんだ?怒るのはいつもボクの方なんだ。巫山戯たことを云うのは、アイツの方なんだから)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の剣幕に気圧され、座った椅子の上で、思わず、身を引いていた。


(続く)






2024年1月29日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その382)

 


「(どうでもいいことだが、『ウイーン』からでなかったら、『寅さん』は、どこからクルマで『ジュネーブ』まで行ったんだ?映画のロケで行っていたのは、『ウイーン』だったんだろうし…)」


と、ビエール・トンミー氏は、どうでもいいこと、と思いながらも、友人のエヴァンジェリスト氏が未だ明かさない点に囚われていると、エヴァンジェリスト氏から、それまで想定していなかったある超有名人の名を挙げるiMessageが送られてきた。



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「アンタあ、『チャップリン』知っとる?」

「はあ?なんで、『チャップリン』なんや?『渥美清』が、『チャップリン』に憧れとったでも云うんかいな?」

「『渥美清』が、『チャップリン』に憧れとったかどうかは知らんよお。?『渥美清』は、『チャップリン』の『黄金狂時代』の日本語版吹き込みをしたことあるみたいじゃけど」

「なら、『寅さん』が、『男はつらいよ』の中で『チャップリン』の格好でもしたんか?」



「アンタあ、『寅さん』、『寅さん』云うて、しつこいでえ。しつこい男は、女性に嫌われるで」

「そりゃ、アンサンやろ」

「そう云うたら、最近、6歳の孫娘にiMessage送ったら、『しつこい』と返信が来たのお」

「アンサンの孫娘、真っ当に育ってるやないか」

「『しつこい』いうiMessageは、一種の愛情表現なんよ。なんだかんだ云うて、ワシは、孫娘たちのお気に入りのじいちゃんなんよ」

「めでたい奴っちゃ」

「『トラさん』も『チャップリン』に凄い気に入られとったんじゃと。でも、間違えんさんなよ、アンタあ、『寅さん』、『寅さん』云うとるけど、ワシが云うとるんは、『トラさん』じゃけえ」

「あ…」

「『チャプリン』と関係があるんは、『寅さん』じゃのうて、『トラさん』じゃけえね。『ジュネーブ』までクルマで行ったかもしれんのんは、『トラさん』じゃけえ」


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「(しまったあ。アイツが誤魔化しているのは、どこから『ジュネーブ』に行ったかということだけではなく、『トラさん』もだったんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、元々高い頬骨をさらに高くして、嬉しそうに凝視めてきているように感じ、思わず、iPhone14 Proを持たぬ左手に拳を作って強く握りしめた。


(続く)






2024年1月28日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その381)

 


「(だけど、『山田洋次』監督『男はつらいよ』とアイツの『プロの旅人』を同列に論じるのは、『山田洋次』監督に失礼っていうものだろうなあ)」


と思いながら、ビエール・トンミー氏が、『山田洋次』監督の映画『こんにちは、母さん』で『吉永小百合』が『ブルーリボン賞』で主演女優賞を受賞したニュースを思い出していると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、『山田洋次』監督に対して失礼ともいえるiMessageが入った。



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「ワシ、聞き間違えたフリなんかしとらんけど、『男はつらいよ』で、『ウイーン』を『湯布院』と聞き間違えから展開が起きるんは、なんか、『プロの旅人』氏のBlog『プロの旅人』みたいじゃね。でも、『ウイーン』を『湯布院』と聞き間違えるんは、なんか強引な気がするけどのお」

「アンサン、傲慢やで。『プロの旅人』を『男はつらいよ』と比較するだけでも傲慢やけど、『男はつらいよ』を批判するんは、もっと傲慢や。でも、気になるんやけど、『ジュネーブ』から『ウイーン』まで1時間で行けんのか?」

「いや、1時間半くらいかかるみたいじゃ」

「なんや、アンサン、さっき、1時間くらいで『ジュネーブ』に行ける、云うたやんか。まあ、30分くらいの差やさかい、どうでもエエけど、1時間半かかんのは、電車の場合か?」

「いや、電車じゃと、10時間以上かかるみたいで」

「はあああ~?アンサン、滅茶苦茶云うとるで。クルマで1時間くらいで行けるのに、なんで電車で10時間もかかんのや?」

「アンタこそ、滅茶苦茶云うとるで。『ジュネーブ』から『ウイーン』まで、クルマで1時間くらいで行ける訳ないじゃろうがいねえ。1時間半で行けるんは、飛行機じゃけえ」

「え?でも、アンサン、さっき、クルマで1時間くらいで『ウイーン』から『ジュネーブ』に行けるさかい、『寅さん』も行ったかもしれん、云うたやないか!まさか、『空飛ぶクルマ』で『寅さん』は、『ウイーン』から『ジュネーブ』に行った云うんやないやろな?」



「ワシ、そうようなこと、云うとらんけえ。クルマで1時間くらいで『ジュネーブ』に行けるとは云うたけど、『ウイーン』から、とは云ううとらんけえ」

「うぐう…」


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「(まただ…いや、ボクが迂闊だったんだ。アイツが云うことに、まともなことなんてありゃしないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、両眼をギュッと閉じて、暗闇の中で自身を責めた。


(続く)






2024年1月27日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その380)

 


「(『失われた時を求めて』は、そう、読んだことはないが、『マドレーヌ』を紅茶に浸して食べる場面なんて、やはりフランスな感じだなあ)」


と、ビエール・トンミー氏が、遠い昔(19991年だ)、新婚旅行で行ったパリの様子を思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏からのiMessageで、日本の自宅の自分の部屋に引き戻された。



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「ほいで、アンタあ、今、『マドレーヌ』、家にあるん?」

「あらへんがな。『ベルグの4月』にでも行けば買えるんやろけど」



[参照:チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その367)



「え?アンタあ、わざわざ、『マドレーヌ』を買うのに、4月まで待って、それも『ジュネーブ』まで行くん?」

「へ?何、云うてんねん?意味分らへんで」

「クルマで1時間くらいで『ジュネーブ』に行けるみたいじゃけえ、『トラさん』も行ったかもしれんねえ」

「『男はつらいよ』にスイス編なんかあったんか?『寅さん』は、海外に行ったんかいな?」

「スイス編じゃのうて、第41作の『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』は、オーストラリア編じゃったみたいで、『ウイーン』に行ったんよ。自殺しようとした男を諭したことで、その男に慕われて、『ウイーン』に一緒に行ってえや、と頼まれたんじゃと」

「へええ、それで『ウイーン』に行ったんかいな」

「『寅さん』は、『ウイーン』を『湯布院』と聞き間違えて、『ウイーン』行をオッケーしたんじゃと。『寅さん』は、第30作の『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』で湯布院の『湯平温泉』に行ったこともあるし、温泉に入れてエエ思うたんかのお」



「『ウイーン』を『湯布院』と聞き間違えるなんて、まるで、アンサンやな。まあ、アンサンのは、聞き間違えたんやのうて、聞き間違えたフリやけど」


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「(ボクは、『お笑い』なんか興味ないし、見ないけど、聞き間違えからドタバタが起きる、っていうのは、『お笑い』の常套手段なんだろう)」


と思うビーエル・トンミー氏の眼は、ここ最近の(2024年1月中旬だ)寒さのように冷ややかであった。


(続く)






2024年1月26日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その379)

 


「(アイツ、『モーリアック』以外のフランスの作家に興味がなく、『東京日仏学院』の『ディクテ』の授業も、1回出席しただけで『逃亡』したから、多分、フランス語のヒアリングなんかまともにできないんだろうに、本当にフランス文學修士なんだろうか?)」


と、ビエール・トンミー氏は、どこかの都知事に対してのような経歴詐称疑惑を友人のエヴァンジェリスト氏に抱きながらも、ただ一人の友人を追い詰めることはせず、友人の話に沿うような、優しいiMessageを友人に送った。



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「アンサンやあらへんけど、ワテも、『プルースト』はんの小説『失われた時を求めて』は、『勿論、読んだことない』ねん。せやさかい、よう知らへんけど、『失われた時を求めて』には、『マドレーヌ』が出てくんのやな?」

「アンタあ、さすがじゃねえ。そうらしいんよ。あ、でも、間違えんさんなよ。『マドレーヌ』いうても、アンタと『ふか~い』関係のあった女性と同じ名前の『マドレーヌ』さんじゃないけえね」

「ああ、間違えへん。ちゅうか、ワテと『ふか~い』関係のあったオナゴに、『マドレーヌ』ちゅうんはいてへん。アンサンが『マドレーヌ』云うんは、お菓子の方のことやな」

「ほうなんよ。『失われた時を求めて』の最初の方で、主人公が、『マドレーヌ』を食べるんよ。それもの、『マドレーヌ』を紅茶に浸して食べたら、見事、昔の記憶が蘇る、いうことみたいなんよ」

「で、ワテも、『マドレーヌ』を紅茶で食べたら、昔の記憶が蘇る、つまり、ロスした時間を取り戻せる、いうことなんやな」

「アンタあ、さすがに理解が早いのお」

「アンサンが、余計なこと云うて話を脱線させへなんだら、もっと早う理解できるで」

「心配しんさんなや。『ロスした時間を取り戻せる』いうても、サッカーの試合中に、『マドレーヌ』を紅茶に浸して食べても、ロスタイムが増えることはない、いうようなことは云わんけえ。今はもう、『ロスタイム』いう云い方はせんと、『アディショナル・タイム』いうしのお」



「ブヒ!」


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「(本当に懲りない奴だ。アイツ、一度、サッカーボールを頭に受ければいいんだ。脳が揺れたら、少しは真っ当な思考を持つ人間に戻れるかもしれない)」


と、ビエール・トンミー氏は、サッカー・スタジアムの芝生の上に大の字になって眼を白黒させている友人のエヴァンジェリスト氏の姿を想像して、思わず、肩頬を緩めた。


(続く)






2024年1月25日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その378)

 


「(アイツの云う『マルちゃん』が、『ちびまる子ちゃん』ではないことは分っているが、ここは今度はこっちが肯定返しをしてやるか)」


と、北叟笑んだビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、まんまと乗せられた風なiMessageを返した。



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「ああ、『マルちゃん』は、『ピーヒャラ、ピーヒャラ』とカップ麺ぐらい食べとったやろなあ」

「ほうかのお?本来は、神経質な感じらしいんじゃけど、まあ、『ピーヒャラ、ピーヒャラ』がなんか分らんが、社交界のサロンに出入りして、有名人の物真似するんが得意じゃったあ、いうことみたいじゃけえね。ワシが『猪木』の真似するような感じじゃったんじゃろうか?」



「は?社交界のサロン?」

「でものお、最初のカップ麺の『カップヌードル』が発売されたんは、1971年でえ。で、『プルースト』は、1922年には死んどるけえ、カップ麺は食べとらん思うけどのお」

「『プルースト』?小説家の?なんで、『プルースト』なんや?あ!?『マル…」

「ほうよねえ、『マルセル・プルースト』のことじゃないねえ」

「じゃないねえ、やあらへん。『マルセル・プルースト』はんのことを『マルちゃん』やなんて呼ぶんは、世界にアンサンだけやで」

「世界唯一人じゃあ、と褒められてものお」

「アンサン、確信犯なんは知ってるけど、ほんまめでたい奴っちゃ。まあ、アンサン、フランス文學修士やさかい、『マルセル・プルースト』はんに言及しても可笑しゅうはないんやなあ」

「勿論、読んだことないけどのお、『プルースト』は」

「『勿論、読んだことない』?はああ~ん?そや、アンサン、『モーリアック』に関心あるだけで、フランス文学には興味あらへんのに、大学院のフランス文学専攻に進学したんやったな。やのに、なんでここで、『プルースト』なんや?」

「じゃけえ、アンタが、『ロスした時間を返して欲しいわ』云うたけえよねえ。『失われた時』をアンタ、『求めとる』んじゃろ?」

「はああ…くだらんで。そういうことかいな。『失われた時を求めて』ちゅうことやな」


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「(いやあ、今更ながら、アイツには呆れる、というか、感心する。『ロスした時間を返して欲しいわ』という言葉から『プルースト』を持ち出してくるなんて。しかも、『プルースト』には全く関心もなく、『プルースト』の小説は読んだこともないくせに、だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、最近(2024年の1月である)、またぞろ問題となっている、自身の名声欲・金銭欲の為なら裏金づくりでもなんでもする政治家たちに比するものを、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に感じた。


(続く)






2024年1月24日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その377)

 


『カップヌードルルミュージアム』の売店にも、そう云えば、確か、『カップヌードルまんじゅう』なんかのお菓子を売ってたような気もするし、カップ麺の会社でもお菓子を作って売っていないとも限らない。あ、いやいや、アイツの罠に嵌ってはいけない)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏への警戒心をあらためて抱いたが、時遅く、そのエヴァンジェリスト氏から批判iMessageが届いた。



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「アンタあ、そうような馬鹿なこと云うとったら、『海原千里』さんにどやしつけられるで」

「誰や、その『海底2万マイル』みたいな名前のお人は?」

「またそうやって、話を他に逸らそうとするんはいけんよ。『海原千里』は、姉妹漫才コンビの『海原千里・万里』と妹の方じゃないねえ」

「知るかいな、そないな漫才コンビ」

「え?アンタあ、『上沼恵美子』知らんのん?」

「ああ、口の悪い女芸人やな」

「なんねえ、知っとるじゃないねえ」

「それがなんや、ちゅうねん」

「『海原千里』は、今の『上沼恵美子』じゃないねえ」

「ああ、そうでっか。どうでもエエわ、そないなこと」

「そりゃないじゃろ。アンタが、『マルちゃん』のこと云い出したんじゃないねえ。『海原千里・万里』は、『マルちゃんのカップうどんきつね』のCMやっとったんじゃけえ」

「ああ、アンサンが、上井草の下宿の本棚に食べ終えた容器を何個も重ねとったやっちゃな。なんで、そないなことするんやろ、と不思議やったが、綺麗に並べとることには、ある意味、感心したもんや」

「ワシ、『マルちゃんのカップうどんきつね』好きじゃったけえ。それが、ある日、『赤いきつね』になったんは、ワシ、おおいに不満じゃったんじゃけえ!」



「あんなあ、『海原ナンチャラ』が『上沼ナンチャラ』でも、『マルちゃんのカップうどんきつね』が『赤いきつね』でも、どっちゃでもかめへんねん。けど、カップ麺の『マルちゃん』が、どこでどう『マドレーヌ』と関係してんのや?」

「え?『マルちゃん』は、カップ麺を食べとったん?」


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「(アイツううう、『マルちゃん』を、今度は、『ちびまる子ちゃん』のことにでもしたいのか!)」


と、ビエール・トンミー氏の脳中には、『ピーヒャラ、ピーヒャラ』という普段見もしないアニメ『ちびまる子ちゃん』の主題歌が流れた。


(続く)






2024年1月23日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その376)

 


「(ボクは、アイツが妄想するように、『ホタテ』でオゲレツな意味の『んぐっ!』することはないが、『ホタテ』は大好きだから、食べる時には、そう、『んぐっ!』と喉を鳴らすことはある)」


と、ビエール・トンミー氏が、『ホタテ』のバター醤油焼きの香りと味とを、鼻と舌とで思い出していると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、オゲレツの世界に引き戻すiMessageが届いた。



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「『ホタテ』は、そうように聖なるもんなんじゃけえ、アンタあ、これからは『マドレーヌ』食べる時にゃあ、『武田久美子』の『貝殻ビキニ』を思い出して、『んぐっ!』なんかせんと、厳かな気持ちを持たんといけんよ」

「あんなあ、『ホタテ』から『貝殻ビキニ』を連想したんは、アンタの方や。アンタこそ、もうちと清らかな心いうもんを持たなアカンで。それに、『ホタテ』いうよりも、なんで『マドレーヌ』を食べるちゅう話になんねん?」

「あ~あ、ようやっと話がそこまで戻ってきたんじゃね」

「ワテ、ほんま怒るでええ!」

「なんでもなんも、アンタが、『ロスした時間を返して欲しいわ』云うたじゃろうがいねえ」

「ああ、なんでそう云うたか覚えてへんが、アンサンがどうでもエエ話を、それもどんどん寄り道して行く話ばっかししてくるもんやさかい、無駄な時間を過ごさせられたと思うたんは間違いないで」

「じゃけえ、『ロスした時間』を取り戻したいんじゃったら、紅茶で『フィナンシェ』を食べるんじゃないで、云うたんよ」

「アンサンが、そこで『フィナンシェ』を出してくるさかい、話があっちゃの方に行ってまうんや。要するに、紅茶で『フィナンシェ』を食べるんやのうて、『マドレーヌ』を食べろ、ちゅうことなんやろうけど、どっちゃにしても意味不明や」

「『マルちゃん』よおね」

「は?『マルちゃん』?『マルちゃん』は、カップ麺だけやのうて、『マドレーヌ』なんかのお菓子も出してんのか?」


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「(ボクは、カップ麺をあまり食べないし、『日清食品』以外のカップ麺の会社のことは、よく知らないからなあ)」


と、首を捻りながらも、ビエール・トンミー氏は、『日清食品』の『カップヌードルルミュージアム』に行き、カップヌードルを自分で作り、それをその夜、食べたことを思い出した。



(続く)






2024年1月22日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その375)

 


「(この落ち着かない気分は、アイツの修士論文(草稿だが)を読んだ時の感じと同じだ。でも、どうして、アイツは、そんな巡礼のことを持ち出してきたんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、目的地を知らぬ巡礼の旅に連れられて行っている感に襲われているとその、エヴァンジェリスト氏から、謂れのない批判のiMessageが送られてきた。



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「でも、アンタあ、『サンティアゴ巡礼』が、『お遍路さん』みたいじゃあ、云うて、話を『お遍路さん』に持って行きんさんなよ」

「それをそのまんまアンサンに云うたるで」

「ほいじゃったら、なんで、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』のこと、ワシが云うとるんか、分っとるん?」

「え…あ、それは…」

「誤魔化そうとしてもダメじゃけえね」

「誤魔化す?ワテが何を誤魔化すねん?」

「アンタあ、『マドレーヌ』食べる度に、『武田久美子』の『貝殻ビキニ』を思い出して、『んぐっ!』しとるじゃろ。『武田久美子』の『貝殻ビキニ』の貝殻は、『ホタテ』じゃけえ」

『んぐっ!』はしてへん!」

「ああ、『んぐっ!』いう云い方が好きじゃなかったんじゃったね」

「いや、そういう問題やあらへん」

「ほうよ。そういう問題じゃないんよ。要するに、アンタあ、『マドレーヌ』食べる度に、『武田久美子』の『貝殻ビキニ』(つまり、『ホタテ』)を思い出すいうオゲレツ漢じゃけど、『マドレーヌ』が『ホタテ』に形をしとるんは、『ホタテ』が聖なるもんなんじゃけえよ。『サンティアゴ巡礼』で、巡礼者は、『ホタテ』を身につけるし、『ホタテ』が、道標になっとるし、巡礼者に宿を提供する家に付けられ取ったりするんよ。あ、間違えんさんなよ、『武田久美子』の『貝殻ビキニ』のポスターが貼られとるんじゃないけえね」

「アホか。誰がそないなこと思うんや」

「『ホタテ』は、アンタによっては、『武田久美子』のシンボルかもしれんけど、キリスト教徒の人たちにとっては、『聖ヤコブ』のシンボルなんよ。『聖ヤコブ』が、布教しとる時、杖に『ホタテ』をぶら下げとったあ、とか、『聖ヤコブ』の遺体を運ぶ船にようけえ『ホタテ』が付いとったけえ、とか色々な説があるらしいんじゃけど、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』のあるガリシア県はスペインで唯一ホタテ貝が採れる場所として有名じゃったんじゃと」



「アンサン、またデジタル・ハンターしたんやな」


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「(そうかあ、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』辺りは、『ホタテ』の有名な産地だから、『聖ヤコブ』がそこに居たのか、そこで亡くなったのか知らないが、『聖ヤコブ』が『ホタテ』と結びつけられ、『ホタテ』自体が聖なるものとされるようにでもなったのだろう。ままあることだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、持ち前の明晰さで、『サンティアゴ巡礼』に於ける『ホタテ』の意味を解釈してみせた。


(続く)






2024年1月21日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その374)

 


「(『高峰三枝子』、『ケーシー高峰』かあ。ゲーノー界には興味がなく、今のゲーノー人のことはほとんど知らないボクだが、昔のゲーノー人のことなら知っているのは、昔のゲーノー界の方が今より魅力があった、という」ことなんだろうか?でも、ボクは、どうして『ケーシー高峰』が医者に扮した漫談なんか見ていたんだろう?)」


と、ビエール・トンミー氏が、白衣に聴診器を首から下げた『ケーシー高峰』の姿を思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、iMessageで、『ケーシー高峰』のギャグをぶつけられた。



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「セニョール!」

「はあ?」

「『ケーシー高峰』は関係のうはないじゃろ」

「あれ?『ケーシー高峰』も、『二十四の瞳』に出てたんか?」

「違うけえ。『ケーシー高峰』は、元々は、『大空はるか』とか『坊られい』云う芸名じゃったんじゃそうなんじゃけど、『高峰秀子』に一目惚れして、『高峰』を芸名にしたんじゃと。『ケーシー』は、医師の家系で、自分自身も一旦は医学部に入ったけえ、医者のドラマの『ベン・ケーシー』からとったんよ」

「アンタ、相変らず、いらん情報を滔々と説明すんのやなあ。ある意味、感心するで」

「そうなんよ、『高峰秀子』も『デコちゃん』も関係ないんよ」

「そりゃそやで。問題は、『デコピン』やさかいな」

「違うけえ。『デコピン』は、『オータニさん』の愛犬じゃろ。でも、ワシ、『オータニさん』は関係ない、云うたじゃろうがいねえ」

「へ?」

「『デ・コンポステーラ』じゃけえ。『デコポン』でも『デコピン』でもないんよ」

「そういうたら、そないな言葉、アンサン、云うとったなあ。なんや、それ?」

「ワシ、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』のこと、云いたかったんよ。アンタ、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』知っとるじゃろ?」

「ああ…なんか、聞いたことあるよな気いするんやけど…」

「スペインにあるキリスト教徒の巡礼地よおねえ。『サンティアゴ』は、キリストの十二使徒の一人『聖ヤコブ』のスペイン語読みじゃけえ」

「ああ、確か、NHKのBSでやっとったよな気いがする」

「気いがするんじゃのうて、NHKのBSで『聖なる巡礼路を行く ~カミーノ・デ・サンティアゴ』とか『聖なる巡礼路を行くII ~スペイン縦断1500km~』いうて、何回かシリーズで放送しとったんよ」

「ああ…」

「みんな歩いて『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』行っとったじゃろ。なんか『お遍路さん』みたいな感じじゃあ思うたけえ」



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「(そういえば、その巡礼の旅の様子を少しだけ見たと思う。オゲレツなアイツが、何故、あんな真っ当な番組を見ていたんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏は、いつもオゲレツなことしか発想しない友人のおチャラけ顔の真ん中に、眼に見えぬ深淵を見るような、落ち着かない気分になった。


(続く)






2024年1月20日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その373)

 


「(『Decoy』から『デコピン』とは、さすが、『オータニさん』だ。いいセンスだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、あらためて『オータニさん』に心地良く感心していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、その心地良さを打ち砕く、意味不明なiMessageが入った。



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「『オータニさん』は、小豆島に行ったことがなかったんじゃろうねえ」

「またや。アンサン、また訳分らんこと云い出してきたで。『オータニさん』は、岩手県の人やさかい、そりゃ、小豆島は行ったことないかもしれへんけど、それがなんやねん?あ、どうでもエエ。答えんでエエ」

「小豆島いうたら、『二十四の瞳』じゃろうがいねえ」

「小豆島で有名なんは、『二十四の瞳』だけやないやろが。オリーブでも有名やないか。あ、いかん、余計なこと云うたら、また話逸らしてくるやろ」

「心配しんさんな。『ポパ~イ!』とか云わんけえ」



「もう云うてるがな。でも、そういうたら『二十四の瞳』は、小豆島が舞台になってたんやったな。でも、それがなんや、ちゅうねん?答えんでエエ云うても、答えるんやろ?」

「ほうねえ、どうしても説明せんといけんのん?アンタにゃ、敵わんのお。『デコちゃん』よおね」

「ああ、『デコピン』やのうて『デコちゃん』や、云いたいんやな。でも、小豆島、『二十四の瞳』で『デコちゃん』になんねん?」

「『高峰秀子』よおね。『高峰三枝子』でも『ケーシー高峰』でもないけえね」

「ああ、映画の『二十四の瞳』に『高峰秀子』が出てたんやな。先生役で主演やな。で、『高峰秀子』は、『ひでこ』やさかい、あだ名が『デコちゃん』やった、ちゅうことなんやな」

「おお、アンタあ、さすがの解析力じゃね。『高峰三枝子』にも『ケーシー高峰』にも惑わされんかったんじゃね」

「ワテを惑わす為に、『高峰三枝子』、『ケーシー高峰』ちゅう、関係ない人物出してきたんか!」


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「(アイツ、ボロ出してきたな。でも、確信犯なアイツの仕掛けに、注意しながらも結果、嵌ってしまっているボクもボクなんだが)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の意地悪い視線とその視線を受けていきり立つ自身の姿を思い、その像を消すように首を左右に振った。


(続く)







2024年1月19日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その372)

 


「(アイツが云ってきたのは、『デコポン』じゃなくって…)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が云い出してきた言葉を思い出せないでいると、更にそれを思い出せなくするようなiMessageをエヴァンジェリスト氏が送ってきた。



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「そうなんよ、『デコポン』でも『ネーブル』でもないんよ。それに、『オータニさん』も関係ないんよ」

「あは?なんで、『オータニさん』が出てくんのや?」

「アンタあ、そうようなことも分らんのお!そうようなおバカさんじゃったら、アンタのおデコに『ピン!』するで」

「あ!『デコピン』やな。『オータニさん』は、なんで、自分の愛犬に『デコピン』ちゅう名前付けたか、アンサン、知っとるか?」

「『オータニさん』のことは、アンタに説明してもらいたいのお」

「おお、エエ心掛けや。ほな、説明したろ。『オータニさん』の愛犬の犬種は、『コーイケルホンディエ』(オランダ語で、 Kooikerhondje)ちゅうのや」

「でも、それ、都知事ともラーメンとも関係ないんじゃろ?」

「あは?ああ、『コーイケ』で『小池都知事』は、つまらんで。ラーメンは、意味不明やけど、なんのことか訊かへんで」

「ああ、ラーメンのこともつまらんけえ、『オバケのQ太郎』に出てくる、いつもラーメンを食べている『小池さん』のことじゃと、説明せんよ」



「ほんま懲りん奴っちゃ。ワテの説明、続けるで。『コーイケルホンディエ』は、別称、『ダッチ・ディーコイ・スパニエル』(Dutch Decoy Spaniel)ちゅうねん。『Dutch』(オランダの)『Decoy』(おとり)『Spaniel』(狩猟犬)ちゅうことなんや」

「おお、アンタも珍しゅうデジタル・ハンターしたんじゃね」

「『オータニさん』は、この『Dutch Decoy Spaniel』から『Decoy』をとって、その音に似た日本語の『デコピン』ちゅう名前を自分の愛犬につけたんや」


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「(おお、気持ちいいぞ)」


と、ビエール・トンミー氏は、いつもは付け焼き刃の知識をひけらかしてくる友人のエヴァンジェリスト氏に対して、逆に自分が得た知識を披露して見せることのできたことに、満足の笑みを頬に浮かべた。


(続く)