「(そうかあ、『宇能鴻一郎』も『修猷館高校』の出身だったのかあ)」
と、ビエール・トンミー氏が、秀才揃いの『修猷館高校』と官能小説家の『宇能鴻一郎』との間に大きなギャップを感じていると、それを察したかのようなiMessageが友人のエヴァンジェリスト氏から送られてきた。
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「『宇能鴻一郎』は、さすが『修猷館高校』の出身じゃねえ。東京大学に入って、大学院博士課程満期退学らしいけえねえ」
「おお、せやったんか。確かに、さすが『修猷館高校』の出身やで」
「修士論文は、『原始古代日本文化の研究』で、『鯨神』いう芥川賞も受賞しとるんよ」
「おお、エロばっかしやないんやな」
「まるで…」
「アホ!そないなこと、云わへん!」
「そないなこと?」
「まるで『フランソワ・モーリアック論』ちゅう修士論文を書いた修士様で、今はオゲレツ・ブロガーのアンサンみたいや、ちゅうこと…あ、云うてもうた!」
「何、云うとるん。ワシがかいた修士論文は、『フランソワ・モーリアック論』じゃのうて、『François MAURIAC論』じゃし、オゲレツ・ブロガーは、ワシじゃのうて、エヴァンジェリスト氏なんじゃないん?」
「白々しい奴っちゃなあ」
「『宇能鴻一郎』や『修猷館高校』のことはもうええけえ、『福岡県立嘉穂東高等学校』のこと、忘れんでよ」
「ああ、なんかそないな名前の高校のこと話してたんやったな。なんで、話してたんかも、もう覚えてへんで」
「しっかりしてえや。『かめ』よおね」
「ああ、なんでか『かめ』のこと話してたんやったな。でも、もう騙されへんで、『かめ』いうても『亀』のことやないやろ。どうせ、その『福岡県立ナンチャラ高校』の校庭から、古代の『甕』(かめ)でも出てきたんやろ?」
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「(そうだ。ボクは、もう騙されない!」
と、ビエール・トンミー氏は、眼の前にはいない敵であり友人であるエヴァンジェリスト氏に抗するかのように、胸を突き出した。
(続く)
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