「(アイツのことだ、『うふっ…』というのは、どうせオゲレツなことを想像したんだろう)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の本性が想像したであろうことを、そんなことを文字にすることに少々躊躇を覚えながらも、iMessageに打って、エヴァンジェリスト氏に送信した。
====================================
「どうせ、『マドレーヌ』の『貝』が『エカった』からや、とか云うやろ?」
「アンタあ!なに、オゲレツなこと云うんねえ!]
「え?」
「ワシ、信じられんけえ。アンタあ、あの女将さんと同じじゃ」
「女将さん?」
「ワシ、若い頃、ある和食の店に入って、お椀に入ったお吸い物を飲もうと思うて、お椀の蓋を開けようとしたんじゃけど、蓋がお椀にくっ付いて離れんかったんよ。そしたらのお、その様子を見とったお店の女将さんが、『男はねえ、開かない貝の口を開けなくっちゃあ。ふふっ』云うて、エロそうに笑うたんよ」
「あ、いや、ワテが『貝』云うたんは、そないな意味やあらへんねん。いや、アンサンがそないな意味で『貝』を持ち出してきたんやろ、思うたんや」
「ワシ、アンタみたいなオゲレツじゃないけえ」
「それ、アンサンに云われとうないで」
「ワシ、アンタが、『武田久美子』を思い出したんじゃろうと思うたんよ」
「『武田久美子』?誰やそれ?」
「ああ、名前は知らんかったんじゃね。と云うか、誰がその格好しとるかが問題じゃのうて、その格好自体が大事じゃったんじゃね」
「その格好?」
「でも、『ホタテマン』じゃないけえ」
「『じゃない』はもうエエ」
「『貝殻ビキニ』よおね」
「あ!」
「ほら、やっぱりそうじゃったんじゃね。アンタあ、『貝殻ビキニ』で『んぐっ!』したんじゃね」
「やめれ、『んぐっ!』は」
「『武田久美子』の『貝殻ビキニ』の貝殻は『ホタテ』じゃったけえ、アンタあ、『マドレーヌ』食べる度に、『貝殻ビキニ』を思い出しとるんじゃろ?」
「あんなあ」
====================================
「(でも、あの格好をしていた女優かタレントか誰かは知らなかったが、そう、『貝殻ビキニ』は覚えているし、鮮烈だった)」
と、ビエール・トンミー氏は、微かに自らの股間に懐かしい『異変』が生じたように感じた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿