「(アイツが云ってきたのは、『デコポン』じゃなくって…)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が云い出してきた言葉を思い出せないでいると、更にそれを思い出せなくするようなiMessageをエヴァンジェリスト氏が送ってきた。
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「そうなんよ、『デコポン』でも『ネーブル』でもないんよ。それに、『オータニさん』も関係ないんよ」
「あは?なんで、『オータニさん』が出てくんのや?」
「アンタあ、そうようなことも分らんのお!そうようなおバカさんじゃったら、アンタのおデコに『ピン!』するで」
「あ!『デコピン』やな。『オータニさん』は、なんで、自分の愛犬に『デコピン』ちゅう名前付けたか、アンサン、知っとるか?」
「『オータニさん』のことは、アンタに説明してもらいたいのお」
「おお、エエ心掛けや。ほな、説明したろ。『オータニさん』の愛犬の犬種は、『コーイケルホンディエ』(オランダ語で、 Kooikerhondje)ちゅうのや」
「でも、それ、都知事ともラーメンとも関係ないんじゃろ?」
「あは?ああ、『コーイケ』で『小池都知事』は、つまらんで。ラーメンは、意味不明やけど、なんのことか訊かへんで」
「ああ、ラーメンのこともつまらんけえ、『オバケのQ太郎』に出てくる、いつもラーメンを食べている『小池さん』のことじゃと、説明せんよ」
「ほんま懲りん奴っちゃ。ワテの説明、続けるで。『コーイケルホンディエ』は、別称、『ダッチ・ディーコイ・スパニエル』(Dutch Decoy Spaniel)ちゅうねん。『Dutch』(オランダの)『Decoy』(おとり)『Spaniel』(狩猟犬)ちゅうことなんや」
「おお、アンタも珍しゅうデジタル・ハンターしたんじゃね」
「『オータニさん』は、この『Dutch Decoy Spaniel』から『Decoy』をとって、その音に似た日本語の『デコピン』ちゅう名前を自分の愛犬につけたんや」
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「(おお、気持ちいいぞ)」
と、ビエール・トンミー氏は、いつもは付け焼き刃の知識をひけらかしてくる友人のエヴァンジェリスト氏に対して、逆に自分が得た知識を披露して見せることのできたことに、満足の笑みを頬に浮かべた。
(続く)
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