「(あ、そうかあ…誰か役者のことを云ってるんだな)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏のどうでもいい話の謎について、ふとその意味を思いつき、まあ、どうでもいいと思いながらも、そのことをiMessageでエヴァンジェリスト氏に送った。
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「ああ、どうせ、誰か役者のこと云うてんのやな。昔は、渡世人の役やったこともあるけど、後で、刑事の役もした役者のことなんやな。『高倉健』やろか?」
「ぎょ、ぎょ…」
「『漁業協同組合』は、もういらへん」
「違うけえ。『ギョウ』さんじゃ」
「なんや、『高倉健』が『ギョウ』いう刑事の役でもした、いうことなんか?」
「『高倉健』が、NHKの土曜ドラマ『刑事』で演じた刑事の名前は、『秋庭実』らしいけえ」
「なら、なんが『ギョウ』さんなんや?いや、どうでもエエ。説明いらへん」
「土曜ドラマ『刑事』の脚本を書いたんは、『早坂暁』じゃけえ」
「説明いらん、云うとるやろ」
「『早坂暁』は、『はやさか・あきら』じゃけど、友だちの『渥美清』なんかは、『暁(ギョウ)さん』と呼んどったらしいんよ」
「それがなんなんや」
「そうなんよ。『高倉健』が主演したNHKの土曜ドラマ『刑事』の脚本を書いた『早坂暁』は、ワシが好きな数少ない作家の一人なんじゃけど、『はるちゃん』の同僚で、昔は渡世人じゃった『やっさん』は、『高倉健』のことじゃないけえ、『早坂暁』のことを友だちで、『早坂暁』が書いたドラマ『花へんろ』のナレーションもしとった『渥美清』なんかが、『暁(ギョウ)さん』と呼んどったんが、なんなんや?いうことなんよ」
「あんなあ!ほんま、シバいたろかあ!」
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「(盗人猛々しいとは、アイツのことだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、泥棒被りをした友人のエヴァンジェリスト氏の姿を想像した。
(続く)
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