「(いや、アイツは、ただのオゲレツで、ただの巫山戯た野郎だ。『六郎』だって、『ゴンベエ』だって、どうせ…)」
と、ビエール・トンミー氏は、どうでもいいと思いながら、自らの想像をそのままiMessageで、友人のエヴァンジェリスト氏に送った。
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「アンサン、またどうせなんかのドラマのことに話持って行ってんのやろが、『六郎』ちゅう男が、『名無しの権兵衛』に亀の帽子を作ってもらおうともらうまいと、ワテ、どうでもエエねん」
「なんねえ、アンタあ、知っとったんじゃね。ほうなんよ。『六郎』は、『福来スズ子』の弟で、『ゴンベエ』さんは、記憶喪失でまさに『名無しの権兵衛』じゃったんよ」
「『福来スズ子』?」
「本当は、云うか、モデルは『笠置シズ子』じゃけどのお」
「今(2024年1月や)、やっとるNHKの朝ドラやな。『ブギウギ』ちゅうたかな。家内は観てるさかいな」
「『ゴンベエ』さんは、後に、船場の大きな呉服屋の若旦那『伊福部玉五郎」じゃったけど、騙されて借金作ってしもうて、道頓堀に身を投げて記憶喪失になったあ、いうことが分るんじゃけど」
「いらん、いらん、いらん情報や」
「いや、『ゴンベエ』さんは、イランには行ったことないし、若旦那じゃった呉服屋ではペルシャ絨毯は取り扱うてなかったあ思うで」
「あんなあ」
「それに、『六郎』は、その『ゴンベエ』さんに、大好きな亀の帽子を作ってはもろうたけど、『萬屋錦之介』の『萬屋』の『かめ』さんとは何の関係もないし、『萬屋』の『かめ』さんは、『はるちゃん』とも関係ないけえね」
「も、『ブギウギ』の話はいらん、云うてるやろが!」
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「(アイツう、関係ない、関係ない、と云いながら、関係ない話をする、極悪確信犯だ!)」
と、ビエール・トンミー氏は、北叟笑む友人のエヴァンジェリスト氏の腹部にある大きく渦巻く黒い穴に吸い込まれそうになる感に襲われ、思わず身震いした。
(続く)
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