「(どうでもいいことだが、『ウイーン』からでなかったら、『寅さん』は、どこからクルマで『ジュネーブ』まで行ったんだ?映画のロケで行っていたのは、『ウイーン』だったんだろうし…)」
と、ビエール・トンミー氏は、どうでもいいこと、と思いながらも、友人のエヴァンジェリスト氏が未だ明かさない点に囚われていると、エヴァンジェリスト氏から、それまで想定していなかったある超有名人の名を挙げるiMessageが送られてきた。
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「アンタあ、『チャップリン』知っとる?」
「はあ?なんで、『チャップリン』なんや?『渥美清』が、『チャップリン』に憧れとったでも云うんかいな?」
「『渥美清』が、『チャップリン』に憧れとったかどうかは知らんよお。?『渥美清』は、『チャップリン』の『黄金狂時代』の日本語版吹き込みをしたことあるみたいじゃけど」
「なら、『寅さん』が、『男はつらいよ』の中で『チャップリン』の格好でもしたんか?」
「アンタあ、『寅さん』、『寅さん』云うて、しつこいでえ。しつこい男は、女性に嫌われるで」
「そりゃ、アンサンやろ」
「そう云うたら、最近、6歳の孫娘にiMessage送ったら、『しつこい』と返信が来たのお」
「アンサンの孫娘、真っ当に育ってるやないか」
「『しつこい』いうiMessageは、一種の愛情表現なんよ。なんだかんだ云うて、ワシは、孫娘たちのお気に入りのじいちゃんなんよ」
「めでたい奴っちゃ」
「『トラさん』も『チャップリン』に凄い気に入られとったんじゃと。でも、間違えんさんなよ、アンタあ、『寅さん』、『寅さん』云うとるけど、ワシが云うとるんは、『トラさん』じゃけえ」
「あ…」
「『チャプリン』と関係があるんは、『寅さん』じゃのうて、『トラさん』じゃけえね。『ジュネーブ』までクルマで行ったかもしれんのんは、『トラさん』じゃけえ」
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「(しまったあ。アイツが誤魔化しているのは、どこから『ジュネーブ』に行ったかということだけではなく、『トラさん』もだったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、元々高い頬骨をさらに高くして、嬉しそうに凝視めてきているように感じ、思わず、iPhone14 Proを持たぬ左手に拳を作って強く握りしめた。
(続く)
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