「(『かめ』と『ひらがな』で書いてくるところが怪しんいんだ。ついつい『亀』のことと思ってしまうが、そこがアイツの罠だ。そうはいかんぞ!)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に対して『勝ち』を意識した時、エヴァンジェリスト氏から、『負け』を認めるiMessageが入った。
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「いやあ、アンタにゃあ、敵わんのお」
「やっぱし図星なんやな」
「アンタあ、『嶋田』さんの友だちなん?」
「へ?『嶋田』はん?」
「あ、間違えんさんなよ、『天龍』のことじゃないけえね」
「アンサン、そうやって、『間違えんさんなよ』云うて、どんどん話を別の方にもってくんはやめれ」
「ああ、ごめん、ごめん。アンタあ、『天龍』のこと知らんのんじゃね。関取からプロレスラーになった『天龍源一郎』よおね。『天龍源一郎』の本名は、『嶋田源一郎』じゃけど、よう考えたら、アンタあ、相撲にもプロレスにも興味ないけえ、『嶋田』さんを『天龍』と間違えたりはせんよおねえ」
「当り前や、と云う気にもなれへんわ」
「ワシが云う『嶋田』さんは、『嶋田光一』さんのことよおね」
「知るかいな、そないな『嶋田』はんも、別の『嶋田』はんも」
「ほうなんねえ。『嶋田光一』さんは、『飯塚市歴史資料館長』で、『福岡県立嘉穂東高等学校』の出身なんよ。高校時代、『郷土部』に入っとって、そこから考古学をやろうと頑張って希望の大学に入ったそうじゃないねえ」
「そないなこと知らへんし、興味もあらへん」
「『福岡県立嘉穂東高等学校』のある飯塚市には、『嶋田光一』さんを考古学に目覚めさせるような『立岩遺跡』があって、その中の『立岩堀田遺跡』からは、『甕棺群出土品』なんかが出とるけえ、校庭から『甕』が出たかどうかは知らんけど、『福岡県立嘉穂東高等学校』いうたら、『甕』と縁があると思うたアンタあ、やっぱり凄いのお、思うたんよ」
「まあ、ワテは、自分ではそのつもりはあらへんけど、知らんうちに他人から見たら凄いことやってもうとる、ちゅうことはようあんねん」
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「(そうなんだ。ボクは、『琴芝小学校』の頃から、自分では普通にこなしているだけのことを先生や同級生、同級生の親たちから、『ビエくん、すごーい!』と感心されることが頻繁だったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、今、自分の部屋に独りいるだけであるのに、小学校、中学、高校の先生たちや同級生、同級生の親たちからの羨望の視線を感じるのであった。
(続く)
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