「(話が『嘉女』まで戻った、と云ったって、何故、『嘉女』なんて言葉が出てきたんだったか……あ、そうかあ)」
と、ビエール・トンミー氏は、辛うじて記憶の底から戻ってきた言葉を友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageに打った。
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「『かめ』やな」
「ほうよねえ。『嘉女』さんは、『かめ』さんと読むんよ」
「それやったら、最初からそう云うたらエエがな。やのに、『かめ』いうて、ワテの『凶器』、つまり、『亀』のことに話を持って行ったり、『はるちゃん』はんとか、『はるちゃん』はんに関係して『福岡県立ナンチャラ女子校』とかに話を持って行ったりしてからにい」
「じゃけえ、ワシ、『かめ』いうてもアンタの『凶器』のことじゃない、云うたじゃろうがいねえ」
「『じゃない』なら云わんでもエエやないか」
「『はるちゃん』は、『嘉女』つまり『福岡県立嘉穂高等女学校』を前身としとる高校の出身じゃけえ、アンタが『かめ』さんの『嘉女』と『はるちゃん』との関係があると勘違いしたら話が逸れるかもしれん思うたけえ、注意したんよ」
「そないな勘違いなんかする訳あらへんやろ。ワテは元々、『福岡県立ナンチャラ女子校』のことなんか知らへんのやさかい」
「でも、アンタあ、福岡に関しては一家言持っとるけえ。実際、アンタ、福岡の名門高校『修猷館高校』のこと云い出して、話が、『エロ拓』とか『宇能鴻一郎』のこととかに話が逸れて行ってしもうて、時間をロスしたじゃないねえ」
「なんやてええ!『時間をロスした』?!それを云いたいんは、こっちやで。ワテがロスした時間を返して欲しいわ」
「ほいじゃったら、アンタあ、紅茶で『フィナンシェ』食べたらいけんよ」
「ありゃりゃ、またや。またまた訳分らんこと云いよるでえ」
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「(どこから、紅茶とかお菓子が出てくるんだ?)」
と疑問を抱きながら、ビエール・トンミー氏は、ふと『ベルグの4月』を思い出した。たまプラーザに本店のある、焼き菓子も美味しいパティスリーである。
(続く)
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