「(アイツの云う『マルちゃん』が、『ちびまる子ちゃん』ではないことは分っているが、ここは今度はこっちが肯定返しをしてやるか)」
と、北叟笑んだビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、まんまと乗せられた風なiMessageを返した。
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「ああ、『マルちゃん』は、『ピーヒャラ、ピーヒャラ』とカップ麺ぐらい食べとったやろなあ」
「ほうかのお?本来は、神経質な感じらしいんじゃけど、まあ、『ピーヒャラ、ピーヒャラ』がなんか分らんが、社交界のサロンに出入りして、有名人の物真似するんが得意じゃったあ、いうことみたいじゃけえね。ワシが『猪木』の真似するような感じじゃったんじゃろうか?」
「は?社交界のサロン?」
「でものお、最初のカップ麺の『カップヌードル』が発売されたんは、1971年でえ。で、『プルースト』は、1922年には死んどるけえ、カップ麺は食べとらん思うけどのお」
「『プルースト』?小説家の?なんで、『プルースト』なんや?あ!?『マル…」
「ほうよねえ、『マルセル・プルースト』のことじゃないねえ」
「じゃないねえ、やあらへん。『マルセル・プルースト』はんのことを『マルちゃん』やなんて呼ぶんは、世界にアンサンだけやで」
「世界唯一人じゃあ、と褒められてものお」
「アンサン、確信犯なんは知ってるけど、ほんまめでたい奴っちゃ。まあ、アンサン、フランス文學修士やさかい、『マルセル・プルースト』はんに言及しても可笑しゅうはないんやなあ」
「勿論、読んだことないけどのお、『プルースト』は」
「『勿論、読んだことない』?はああ~ん?そや、アンサン、『モーリアック』に関心あるだけで、フランス文学には興味あらへんのに、大学院のフランス文学専攻に進学したんやったな。やのに、なんでここで、『プルースト』なんや?」
「じゃけえ、アンタが、『ロスした時間を返して欲しいわ』云うたけえよねえ。『失われた時』をアンタ、『求めとる』んじゃろ?」
「はああ…くだらんで。そういうことかいな。『失われた時を求めて』ちゅうことやな」
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「(いやあ、今更ながら、アイツには呆れる、というか、感心する。『ロスした時間を返して欲しいわ』という言葉から『プルースト』を持ち出してくるなんて。しかも、『プルースト』には全く関心もなく、『プルースト』の小説は読んだこともないくせに、だ)」
と、ビエール・トンミー氏は、最近(2024年の1月である)、またぞろ問題となっている、自身の名声欲・金銭欲の為なら裏金づくりでもなんでもする政治家たちに比するものを、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に感じた。
(続く)
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