「(アイツの云うように、『ジャパネット』の『マーケティング』は巧みなのかもしれないが、あの甲高い声は生理的に受け付けないんだ)」
と、ビエール・トンミー氏が、その『甲高い声』と共に脳裡に浮かんできた、消音したテレビの画面で叫ぶ『ジャパネットたかた』の創業者の顔も消すように、両眼を閉じたが、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏からも『ジャパネットたかた』を消すようなiMessageが入ってきた。
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「いや、ワシも別に、『ジャパネットたかた』のこと、話そうとしたんじゃないんよ。『ジャパネットたかた』の『BSJapanext』とか『BS松竹東急』とか『BSよしもと』とかが、ウチのテレビにゃあ映らんのは悔しい、云うとったんよ」
「アンサンんところ、BSの電波が弱いんか?それで、その新しいBS局が映らへんのか?」
「違うんよ。『BS松竹東急』、『BSよしもと』、『BSJapanext』は、『右旋』なんよ」
「はあ?『右旋』?」
「BSやらCSで使われる電波のことでのお。らせん状に回転する電波(円偏波)の内で、回転方向が右回りのもんが『右旋円偏波』で、俗に『右旋』いうらしいんよ」
「なんや知らへんけど、『右旋』があるちゅうことは、『左旋』もあるんか?」
「アンタあ、やっぱりさすがじゃあ!センスがエエで。『凶器』と一緒で、右の方に行くもんと、左の方に行くもんとがあるらしいんよ」
「え?ピストル撃った時に、弾が右に外れたり、左に外れたりすることなんか?」
「うーん、『タマ』は普通、元々、右と左の両方にあるじゃろ。『凶器』は『棒』状で、『タマ』と『タマ』の真ん中にあるじゃないねえ」
「ああー!アンサン、またあ!」
「アンタの『凶器』は、右なん?左なん?ワシんは、まあ、アンタと違うて、『凶器』いう程のもんじゃないけど、左じゃ。今、触って確認したけえ」
「アホンダラあ!オゲレツはやめれ、云うてるやろが!」
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「(本当に懲りない男だ。どんなところからでも、話をオゲレツに持っていくのは、ある種の才能かもしれないが)」
と思いながら、ビエール・トンミー氏は、無意識の内に、iPhone14 Proを持たぬ左てを自らの股間に伸ばし、ソレの位置を直していた。
(続く)
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