「(でも、そうなんだ。アイツが話をどんどん派生させていくから、できなくなっていたけど、ボクは、『白い巨塔』について語ろうとしていたんだ。どうしで、語ろうとしていたのかは、分らなくなっているけど)」
と、ビエール・トンミー氏は、どこか判然としないものを抱えながらも、抑えきれない思いが勝ち、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、再び、『白い巨塔』についてのiMessageを送り始めた。
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「エエか、もう一遍、云うけど、『白い巨塔』にはやなあ、『1978年』のやつと『2003年』のやつがあんねん」
「もう一遍、云わんでも分っとるけえ。アンタもくどいのお」
「五月蝿いで。エエか、ワテ、『白い巨塔』の『2003年版』を見た時、『おお、あの<白い巨塔>が25年経ってゴッツウ現代的になってスタイリッシュになっとんやんけ。同じ原作でも時代の差ァを感じるで』と思うた覚えあるんや」
「うっ!『スタイリッシュ』?アンタあ…」
「どねしたんや?」
「あの『スタイル』のことは、いずれ話したげる。今は、先ず、ワシのことじゃ。ワシも、現役のサラリーマンを65歳で辞めて5年経つけど、5年前と比べると、ワシ、20Kg近く痩せて、スタイリッシュになったんよ。『before-after』見せたぎょうかあ?」
「いらんで。間違えても、そないな画像、ワテに送ってくんのやないで。アンサンの『before-after』はいらん。『before-after』いうたら、『白い巨塔』や。『1978年版』と『2003年版』や。でも、その『2003年版』でも『before-after』があんのや。2003年に見た『2003年版』と、今年(2024年)に見た『2003年版』とや。「2003年版』を今年、21年経ってみたら、アンタ、驚いたで。『何やこのドラマ、臭いセリフ回しやなあ。今時コナイな大仰な云い方はせんで→(例)<我々医師も人間なんだ!>』ちゅう感想やったんや。時代の差ァを感じたで」
「ほほお。『臭いセリフ回し』いうて、最近のテレビは、臭いも出てくるようになったん?凄いのお、科学技術の進歩は」
「何遍も云うけど、アンサン、アホか」
「アンタあ、『内田有紀』がテレビに出てきたら、顔を画面に近づけて、『内田有紀』の匂いを嗅いどるん?」
「え…!」
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「(あ….)」
と、ビエール・トンミー氏は、股間に視線を落とした。未だ嗅いだことはないものの、芳しいに違いない『内田有紀』の匂いにが、鼻腔を突き、ソコが微かに、微かながらに『反応』したように思えたのだ。
(続く)
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