チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】（その419）

 

「（ようやく『白い巨塔』に話が戻った、と思ったのにい…いや、アイツ、『サセン』ではなく『左遷』って云ったな）」

と、ビエール・トンミー氏が、『御託』としか思っていなかったアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の言葉に、引っ掛かりを感じた時、エヴァンジェリスト氏から、知っているようあん知らないような人物の名前を告げるiMessageが入った。

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「『里見』さんよおね」

「おおーっと、『南総里見八犬伝』に話をもってことしても、そうはさせへんで」

「ワシもそのつもりはないで」

「『南総里見八犬伝』と『左遷』とは関係あらへん」

「『かめはめ波』は、関係ないけどのお」

「は？『かめはめ波』？」

「『かめはめ波』の『ドラゴンボール』は、『南総里見八犬伝』からも着想を得とるみたいじゃけえ」

「また、ゴチャゴチャと。要するに、『南総里見八犬伝』と『左遷』とは関係あらへんのや」

「いや、それはそうとは限らんけえ。『槙野万太郎』の奥さんの『寿恵子』さんは、『南総里見八犬伝』の愛読者じゃたんじゃけえ」

「『まきの』？ああ、『牧野富太郎』はんをモデルにしたNHKの朝ドラ『らんまん』やな。でも、朝ドラは、あくまでドラマやし、『牧野富太郎』はんの奥さんが、仮に、本当に『南総里見八犬伝』の愛読者やったとしても、『左遷』とは関係あらへんたろ。あ、『牧野富太郎』が、東大への出入りを禁じられたことを『左遷』というてんのやったら、そりゃ、『左遷』とは云わへんで。『牧野富太郎』は、東大の学生でも、出入りを禁じられた頃は、助手でもあらへんかったんやさかいな」

「『槙野万太郎』、つまり、『牧野富太郎』のことじゃのうて、『牧野富太郎』と確執があった『矢田部良吉教授』のことなんよ。『らんまん』では、『要潤』が演じた『田邊教授』じゃ」

「いらん情報や」

「いやの、『矢田部良吉教授』は、『東大』（当時は、『帝国大学』じゃ）から追い出されて、一年後に、『東京高等師範学校教授』となって、3年後には校長になったんじゃと。これ、一種の「左遷』じゃろ？」

「アンサン、ほんまに強引やなあ」

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「（アイツ、ボクとiMessageの交換をしながら、傍らで必死になって、デジタル・ハンターして、『南総里見八犬伝』と『左遷』とを結びつけたんだな）」

と、ビエール・トンミー氏は、iPhone14 Proの画面の向こうでの、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の行動を看破してみせた。

（続く）