「(『ひみつのアッコちゃん』は、見たことは勿論あったが、確か放送があった頃、ボクはもう中学生だったし、女の子が主人公のアニメだったから、観るのはちょっと気が引けたところもあったと思う。でも、妹も見ていたし…)」
と、ビエール・トンミー氏が、中学の学生服を着た自分がブラウン管テレビの前に座って、2歳歳下の妹と、『ひみつのアッコちゃん』を観ていたことを思い出していると(実際は、テレビを観る夕方以降の時間帯には、もう学生服を着ていなかったはずだが)、友人のエヴァンジェリスト氏から、いつもの惚けたiMessageが入ってきた。
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「アンタあ、『テクマクマヤコン』で何になりたかったん?」
「あんなな。ワテ、『ひみつのアッコちゃん』放送しとった頃、もう中学生やで。そないな子ども染みたおまじないの言葉、云う訳あらへんやろ」
「アンタあ、『テクマクマヤコン』が、『子ども染みたおまじない』じゃあ云うん?」
「ああ、云うで」
「そりゃ、『テクマクマヤコン』に失礼でえ」
「何、また訳の分らんことを」
「『テクマクマヤコン』は、『テクニカル・マジック・マイ・コンパクト』を省略したもんらしいんで。こうようなちゃんとした英語を『子ども染みたおまじない』じゃなんて!元の姿に戻る時の呪文の『ラミパス ラミパス ルルルルル~』も、『スーパーミラー』を逆さにした言葉なんじゃと。どうねえ、深いじゃろう?」
「アンサン、また必死でデジタル・ハンターしたんやろけど、ワテにとっちゃあ、どうでもエエことや。そないに云うアンサンは、『テクマクマヤコン』で何になりたかったんや?」
「ああ…ワシ、『大人』になりたかったんよ」
「え?『大人』?アンサンもあの頃、中学生やさかい、後何年かしたら、別に『テクマクマヤコン』やのうても、『大人』になれたやろが」
「早う『大人』になりたかったんよ」
「なんでや?」
「『智恵子』と『結婚』したかったんよ」
「『智恵子』?」
「ほうよねえ。『松原智恵子』よおね。あの頃、『松原智恵子』は、ワシが好きじゃった『石坂洋次郎』原作のドラマによう出とったんよ。綺麗じゃけえ、ワシ、『んぐっ!』しとったんよ」
(参照:ハブテン少年[その85])
「アンサン、中学の頃からオゲレツやったんやな」
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「(いや、アイツのオゲレツは、中学に始ったものじゃないだろう。生来のものだ)」
と思うビエール・トンミー氏の表情は、生物の生態を解明する学者のものとなっていた。
(続く)
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