「(でも…あれ?どうして、『南総里見八犬伝』のことなんかになったんだ?あ、ボクが、『南総里見八犬伝』のことを云い出したんだ。でも、どうしてだ?)」
と、ビエール・トンミー氏が、展開に展開、派生に派生を重ねていく友人のエヴァンジェリスト氏とのiMessage交換の混乱の中で迷走させられていると、エヴァンジェリスト氏から、抗議のメッセージが入ってきた。
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「強引なんは、アンタの方じゃろうがあ」
「なんやて?ワテが強引やて?」
「アンタあ、オナゴとのことでも『強引』らしいけど」
「いやあ、アンサン、知ってたんか?ワテはそのつもりはなかったんやけど、オナゴたちは、『アナタって、強引ねえ。うふん』と嬉しそうに云うてはおったなあ。あ!アカン、何、云わすねん!ワテのどこが強引や、云うねん?ワテが強引いうんは、オナゴのことやあらへんのやろ?」
「ほうよ。オナゴのことじゃのうて、『里見』のことよね」
「ああ、せやった」
「ワシが云おうとした『里見』は、『南総里見八犬伝』のことじゃなかったのに」
「ああ、せやったか。そりゃ、すまへんかったな」
「『助さん』でも『黄門様』でもないけえね」
「おーい、おい!今度は、『助平』とか『コーモン様』とか、オゲレツを云おうとしてもアカンで!」
「こらああ!あんたこそ、『コウタロー』さんのことを『助平』とか『コーモン様』とか云うて、『コウタロー』さんを貶めるようなことするん、やめんさいや!」
「『コウタロー』?おお、今度は、『走れ、コウタロー』でまた『馬並み』や、とでも云うんかい!?ワテが『馬並み』なんは、もう話したやろが」
「いや、確かに、アンタの美貌は、『コウタロー』さん並みやと思うけど」
「え?え?ええー?」
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「(『コウタロー』並み?)」
と、ビエール・トンミー氏は、馬に『美男馬』なるものがあるのかどうか知らないものの、顔の周りに幾つもの星が輝き、牝馬たちがうっとりしながら群がってくる牡馬を思い描いた。
(続く)
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