「(『村上弘明』て、うーむ、名前は聞いたことがあるようなないような…『韓国版』は論外だ。『1967年版』の『白い巨塔』にの『佐藤慶』の『財前五郎』は見てみたい気もするが、やはり『財前五郎』=『田宮二郎』だなあ)」
と、ビエール・トンミー氏の脳裡には、モノクロの『佐藤慶』の像が消え、カラー画像で教授回診に隊列の中心を威厳を持って歩く『田宮二郎』の姿が浮かんできた。
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「アンタあ、『佐藤慶』もエエかもしれんけど、やはり『財前五郎』は、『田宮二郎』じゃ、と思うたじゃろ?」
「ああ、せや。『佐藤慶』はんの方が先に『財前五郎』したんかもしれんけど、『財前五郎』=『田宮二郎』はんやで」
「え?誰が、『佐藤慶』の方が先に『財前五郎』演ったあ、云うたん?」
「はあ?アンサンやないか!」
「ワシ、そうようなこと云うとらんで。テレビドラマ『白い巨塔』は、『1978年版』、『2003年版』、『2019年版』以外にも、『1967年版』(『財前五郎』は、『佐藤慶』)、『1990年版』(『財前五郎』は、『村上弘明』)、『2007年の韓国版』(『財前五郎』いうか『チャン・ジュンヒョク』は、『キム・ミョンミン』)がある、云うたんよ」
「アンサン、アホか?いや、アンサン、高校時代はよう勉強もでけたし、天下の『OK牧場大学』にも入り、そこでフランス文学の修士様にまでなったんやさかい、元はアホやないけど、オゲレツばっかししとる内にアホになったんとちゃうか?『1967年』は『1978年』より前(つまり、古い) やいうことも分らんようになったんか?」
「アンタあ、ワシをバカにしんさんなよ、いや、アホにしんさんなよ。『1967年』の方が『1978年』より昔くらい分っとるけえ。ほいじゃったら、逆に訊くけど、『1966年』と『1967年』は、どっちが昔なん?」
「おどりゃあ!エエ加減にしいや。誰が、『1966年』のこと話してんや」
「ワシよおね?」
「はっ?」
「『1966年』は、『ビートルズ』が初来日しただけじゃないんよ」
「おお、覚えてるで。『ビートルズ』は、JAL機からJALの法被を着て、タラップを降りてきたんや」
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「(あの『ビートルズ』の姿を覚えているのは、その年(1966年)に、見たからなのか、後に、テレビや雑誌て見た記憶なのか?)」
と、疑問を持ちながらも、ビエール・トンミー氏は、『ビートルズ』に向かって必死で手を振り、物凄い熱狂で迎える1960年代の若い日本人女性たちの姿を思い出していた。
(続く)
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