「(冒涜だ!冒涜だ!『白い巨塔』に対する冒涜だ!『田宮二郎』に対する冒涜だ!)」
と、ビエール・トンミーが、想像の中で、友人のエヴァンジェリスト氏がお得意のオトボケ顔で白衣を着ている姿を、その姿が印刷された紙を縦に横に引きちぎっていると、その引きちぎられたエヴァンジェリスト氏の顔が逆回転して再び、像を結ぶようにして、見たくもない写真付のiMessagaeを送ってきた。
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「どうねえ、ワシ、田宮二郎ばりに渋いじゃろ?」
「はあああ!?アンサン、何してんねん?」
「ワシ、もうベッドに入って、横になっとるんよ。眠いんじゃけえ」
「ふん、アンタのその目ェのシワは、『田宮二郎』や。『白い枕』やな」
「本当は、枕に薄水色のバスタオルを巻いとるんじゃけど、写真じゃと、白く見てるんかのお。ワシ、『田宮二郎』の『白い影』とかの『白い』シリーズ好きじゃったけえ。ドラマ『白い枕』にも、出ることにしとこうかあ」
「ん?なんか、適当やなあ」
「『白い影』での『田宮二郎』の相手役は、『山本陽子』じゃったんじゃけど、『白い枕』でのワシの『相手役』は、『内田有紀』にしょうかあ。可愛がったるでえ」
「アンサン、すぐ『ソッチ』の方の話や」
「ドラマは、リアルさが大事じゃけえ、本番は、『本番』でやるけえね。アンタ、ワシのマネージャーじゃけえ、すぐ側で見とってもエエで」
「その前にマネージャーが、実地に確認するんや」
「なんと、なんと、『南都䧺二』!」
「『南都䧺二』はんなんか、今時の人は知らへんで」
「『本番』も、アンタがワシのスタントマンするん?」
「勿論、そやで。手タレ、足タレと同じで、『珍』タレや」
「アンタあ、オゲレツじゃねえ」
「うっ!...」
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「(く、く、屈辱だあ!オゲレツ中のオゲレツなアイツに、オゲレツと呼ばれるなんて)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの下唇を上下の前歯で噛み締めた。
(続く)
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