「(ようやくこっちが気持ちよく屋根を瓦にしたことを語ろうとしているのに…)」
と、ビエール・トンミー氏が、またまた話の腰を折られて、でも、その話の腰を折ってきたのが、友人のエヴァンジェリスト氏であることから、エヴァンジェリスト氏に『文句』を語らせないと仕方ない、と諦めていると、エヴァンジェリスト氏は、『文句』というよりも意味不明なiMessageを送ってきた。
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「まあ、アンタの家、宮崎じゃないけえねえ」
「宮崎?何、寝惚けたこと云うてんねん。ワテんちは、横浜やで」
「じゃけえ、アンタの家、宮崎じゃないけえねえ、云うたんよ」
「なんで、いきなり宮崎が出てくんのや、ちゅう話や」
「いきなりじゃないで。アンタが、屋根の瓦のこと云い出したんじゃないねえ」
「なんや、宮崎は、瓦の名産地か?」
「宮崎の瓦は、飛ぶように売れるとでも思うとるん?」
「『飛ぶように売れる』?んん、なんか怪しいで」
「ほうなんよ。『飛ぶように売れる』いうんじゃのうて、よう『飛ぶ』らしいんよ」
「宮崎の瓦は、軽うできてんのか?」
「いやの、宮崎は、『銀座』じゃろ」
「え?ん?宮崎が『銀座』?『宮崎』ちゅう名前のバーが『銀座』にあるんか?」
「宮崎は、『台風銀座』じゃ、云われとるん、知らんのん?」
「あ、そういう意味かいな。宮崎は『銀座』やとか、また態と判りにくい云い方しよって」
「かなり前に、『プロの旅人』にも書いてあったじゃろう」
「あないなオゲレツBlogのことなんか、よう覚えとらへん」
「ワシ、宮崎に出張した時、あるお客さんに云われたんよ。宮崎じゃあ、台風が来ると、屋根の瓦が飛ぶこともあって、家で窓から外を見ていると、近所の家の屋根の瓦が飛んでいくことがあって、『飛んでる、飛んでる』、って云っとったら、息子さんが、『父さん、それどころじゃないよ』って云うたんじゃと。『うちの瓦も飛んでるよ』って」
[参照:ああ、宮崎(その10)]
「なんや、おもしろ話をまた披露したかっただけか。横浜は、『台風銀座』やあらへんさかい、瓦が飛んでいく心配はあらへん」
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「(結局、アイツ、他人の話なんか聞く気がなく、なんでも自分のしたい話に持っていきやがる)」
と、ビエール・トンミー氏は、視線をこちらに向けながらも、決してこちらを見てはいないアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の狡猾な表情を思い出した。
(続く)
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