「(『要田』という人に会ったことはないどころか、そんな『姓』があることすら知らなかった。『依田』なら知っているけど)」
と、ビエール・トンミー氏が、その必要もないのに、つい『依田』という『姓』のことを思ってしまっていると、それを察したかのようなiMesageが、友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。
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「そうかあ。アンタあ、『依田』なら知っとるんじゃろうけどのお」
「ああ、『要田』という名字は知らへんかったけど、『依田』なら知ってるで」
「やっぱりそうかあ。アンタあ、博識じゃけえ、『依田義賢』さんのことでも思い出しとったんじゃろ」
「『依田義賢』はん?」
「そうよね。脚本家にして、『大阪芸術大学映像学科教授』でもあった『依田義賢』さんよね。『依田義賢』さんは、『溝口健二』監督の映画の脚本をよう書いとってじゃったじゃろ」
「そうかあ。で、それがなんやねん?」
「『ジョージ・ルーカス』は、『溝口健二』監督のファンで、『スター・ウォーズ』を作った時、『ヨーダ』の名前を『依田義賢』さんからとったとも云われとるらしいじゃないねえ」
「アンサン、また猛烈にデジタル・ハンターしたんやな。でも、その『依田義賢』はんは、『依田』はんであって『要田』はんではないやろ」
「そうなんよ。ワシが、『The Asian Wall Street Journal』の『ヨーダ』さんのことを日本人じゃあ、思うたんは、名前の『ヨーダ』から『要田』くんのことを直ぐ思い出したけえなんよ。『ヨーダ』さんは、『要田』くんの親戚なんじゃろうかあ、思うんたんよ。で、会ったら、『要田』くんのこと知っとるか、訊いてみょうと思うとったんよ」
「やからあ、誰やねん、その『要田』はんて?」
「アンタ、同じ『ホーム』になったことなかったんじゃったね」
「なんや、ワテはまだ『老人ホーム』には入ってへんで」
「そりゃ、アンタ、10歳も若い奥様がおってじゃけえ、アンタは、『老人ホーム』入れんでも、奥様が介護してくれるじゃろ」
「えへっ!そうでんねん」
「ようできた奥様なんじゃろ?お姑さんのシモの世話もちゃんとしてくれたんじゃろ?」
「ああ、せやねん。なんの躊躇ものう、何を厭うことものう、やってくれたんや」
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「(そうなんだ。家内は、介護が必要となった、同居する母の面倒を最期までみてくれたんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、足腰も弱り、自身では殆ど何もできなくなっていた母親の世話を、ごく普通にしてくれた妻の姿を思い出し、胸に何かがこみ上げてくる感を覚えた。
(続く)
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