「(仮にどんなに衝撃的でも、『上別府』の読み方なんか、どうでもいい)」
と思ったビエール・トンミー氏は、ケリをつけるかのような投げやりなiMessageを友人のエヴァンジェリスト氏に送った。
====================================
「あんなあ、『上別府』が、『ウエ~ン、ビュ~!』でもなんでも、かめへんねん」
「ありゃ、アンタあ、人が悪いのお。知っとったんじゃね!」
「はれ?」
「そうなんよ、『ウエ~ン、ビュ~!』なんよ」
「もう泣くのはヤメレ」
「じゃけえ、ワシ、泣いとらん云うとるじゃろ。アンタの云う通り、『上別府』は、『ウエンビュ~』なんよ」
「え?ま、まさか、『上別府』は、『ウエンビュ~』と読むんか?」
「さっきからそう云うとるじゃろ。でも、『上別府』が、『ウエンビュ~』でもなんでも、アンタあ、どうでもええんじゃろ?」
「ほんまに、『上別府』は、『ウエンビュ~』と読むんか?考えられへん。まるで、外国人みたいやないか」
「『ヨーダ』は、逆じゃったけどのお」
「『ヨーダ』?...んん?どっかで聞いたことあんような気もせえへんでもないけど」
「アンタ、どっちの『ヨーダ』のこと、思うたん?」
「どっちの『ヨーダ』?」
「緑色の方なん?」
「緑色?...んん?あ…ああ。そういうたら、なんかそないな感じやったんやろか?」
「アンタあ、『スター・ウォーズ』の『ヨーダ』のこと、思うたんじゃね」
「ああ、ワテ、『スター・ウォーズ』のことはよう知らへんけど、あれに出てたんか、その『ヨーダ』はんは?」
====================================
「(あ?!なんで、そんな質問してしまったんだ?)」
と、ビエール・トンミー氏は、既にしてしまっている質問を今更ながら止めるように、自らの口を、iPhone14 Proを持たぬ左手で抑えた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿