「(いやいや、違う、違う。問題は、『人間発電所』からの『ウエンビュ~』とかなんかじゃないぞ。じゃあ、何だ?)」
と、ビエール・トンミー氏が、真の問題を思い出そうとしていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、まさかなiMessageが入ってきた。
====================================
「そうよお。ワシ、本当に疲れるでえ」
「はあ~ん?!何やてえ!」
「ワシ、今年の夏も暑い中、『スーパー・マン』の仕事して、それでのうても疲れとるんじゃけえ、やめてえや」
「『疲れる』いうんは、こっちのセリフや」
「疲れをとるには冷房がええんじゃけど、ワシ、アンタと違うて貧乏じゃけえ、エアコンはできるだけ使いとうないんよ。電気代がかかるじゃろ。ああ、アンタあ、金持ちじゃし、『自家発電』が得意じゃけえ、電気代を気にせんでええんじゃね」
「なんや、またオゲレツかいな。ほんまエエ加減にしいや。それに、ワテ、もう『自家発電』する『元気』も……いや、『発電』?そや、『人間発電所』や!」
「そうよ、アンタも、一種の『人間発電所』じゃ。『ブルーノ・トンミー』に名前変えたら、どうねえ?」
「そないな問題やあらへんねん。なんで、アンサンと『人間発電所』のこと、話さなあかんのや?」
「アンタが、ワシのことを『話の腰を折る』奴呼ばわりしたけえよね」
「ますます意味不明や。『話の腰を折る』が、どこでどう『人間発電所』になんねん?」
「はれ?『人間発電所』こと『ブルーノ・サンマルティノ』の得意技いうたら、『ベア・ハッグ』(Bear Hug)じゃろうがいねえ」
「知るか」
「『ベア・ハッグ』は、日本式にいうと『サバ折り』なんよ。『サバ折り』は元々は、相撲の決まり手じゃけど、見た目が似とるけえ、プロレスの『ベア・ハッグ』は『(熊式)サバ折り』とも呼ばれるんよ」
「どうでもエエことや」
「要するに、抱きついて相手の腰を折るようにする技じゃけえ、『話の腰を折る』から、『人間発電所』、『ブルーノ・サンマルティノ』の話になったんじゃないねえ」
「ふぁあ~」
====================================
「(くだらん。実にくだらん)」
と、ビエール・トンミー氏は、疲れからか諦念からか、優しく両の瞼を閉じた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿