「(『アッチの方』の『ウラナイ営業』って、どういうんだ?『表ビデオ』じゃなく『裏ビデオ』の営業って、ことか?いや、なんだか違うなあ)」
と、ビエール・トンミー氏が、本来ならどうでもいいと思うところのものを、不思議に真面目に考えていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、その発想を見透かされたようなiMessageが入ってきた。
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「アンタあ、まさかオゲレツなこと考えとるんじゃないじゃろうねえ?」
「アンサンが、『アッチ』いう時は、いつもオゲレツなことやないか」
「そりゃ、アンタあ、裏表のある人間で、表は真面目な好青年、いや、そりゃ昔で、今は、品のあるシルバー紳士然としとるけど、裏じゃあ、『インモー!インモー!んぐっ!』と興奮しとるオゲレツ爺さんじゃ」
「アンサンかてオゲレツやないか」
「ワシは、表も裏もオゲレツじゃけえ」
「なんや、開き直りかいな」
「要するに、ワシのことを、『裏がない(ウラナイ)営業』じゃあ、思うたんじゃろ?」
「せやなあ、ワテ、アンサンが営業しとるとこ、見たことあらへんさかい、なんとも言えへんけど、『仕事依存症』になるくらいやさかい、アンサン、仕事(営業)に関しては、真面目で、まさに『裏がない(ウラナイ)営業』やったんやろな」
「なんか、こそばゆいのお。アンタから褒められること、普段、ないけえ」
「普段、褒めるとこなんかあらへんさかいな」
「舐めるところもないけえね」
「ゲッ!気色悪いこと云うんうやないで」
「ワシの営業は、誠心誠意やったけえ、『裏がない(ウラナイ)営業』じゃあいうんは、確かにそうなんよ。でも、ワシの後輩のミスター・チョーテイ(いや、モト・チョーテイ氏。またの名は、ワカ・クソーコーノ氏)とは、違うけえね。『ワカ・クソーコーノ氏』は、自分のことを『まごころ営業』じゃあ、云うとったんよ」
「なんや、怪しい奴っちゃなあ」
「じゃろ。自分に『まごころ』がある云う奴に『まごころ』はないけえね。実際、『ワカ・クソーコーノ氏』は、自分のことを『嘘つき』じゃあ云うとったけえ」
「益々、怪しい、ちゅうか、ケッタイな奴やで」
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「(そうなんだ。自分に『まごころ』がある云う奴に『まごころ』はないし、『丁寧な説明をする』と云う政治家に、『丁寧な説明』をする奴なんかいないんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、テレビ画面で、記者会見やインタビューに応えて、『丁寧な説明をする』と云う政治家を見る時に覚える嫌悪感が口中に湧いてきて、思わず口を歪めた。
(続く)
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