「(そうだ、アイツ、引っ掛けてきたんだ。ボクが得意だったのは、別に『穴埋め問題』だけじゃないんだ。論述式問題だって得意だったし、試験全般、得意だったことは、アイツだって知っているくせに!)」
と、ビエール・トンミー氏が、歯軋りする歯を剥き出しにして、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏への敵意を見せた時、エヴァンジェリスト氏から、また別の意味不明なiMessageが入ってきた。
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「そうかあ。アンタも学生時代、羽田空港で国際線の荷物の取り下ろしのバイトしとったんじゃったね?」
「え?せやけど、それが、何やねん?あ、CAやな。当時は、スチュワーデス云うてたけどな」
「え!アンタ、スチュワーデスの『穴』埋めとったん!?」
「やからあ、その『穴』を『埋める』ちゅうオゲレツ表現は、ヤメレ、云うてるやろ」
「いくらアンタでも、スチュワーデスの『穴』埋めることはできんかったんじゃないん?」
「確かにな、国際線の荷物の取り下ろしの仕事場とスチュワーデスはんたちの仕事場は、同じ羽田空港いうてもちゃうさかい、仕事場そのものでは出会いはあらへんかったんや」
「なんねえ、『仕事場そのものでは』て、勿体つけた云い方するのお。あ、そうか!羽田空港への行き帰りにモノレール使うけえ、そこでスチュワーデスとの接点はあったんじゃね!それで、スチュワーデスの『穴』埋めたん?」
「やからあ、そのオゲレツ表現は、ヤメレ、云うてるやろ」
「どうなん?」
「まあ、そこんとこは、ノー・コメントや。アンサン流に云うと、『事務所を通してくれ』ちゅうとこやな」
「いや、なんぼなんでも、やっぱりアンタ、スチュワーデスの『穴』埋めることはできんかったあ、思うけどのお」
「ふふ」
「アンタ、女装したん?」
「え?」
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「(え?ボクが女装?スチュワーデスの『穴』埋めるのに?)」
と、ビエール・トンミー氏は、思わず自分が女装した姿を想像し、寒気に体を震わせた。
(続く)
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