「(それにしても、自分のことを『イカシタ営業』と云うとは。若い頃は、アイツ、ボクには及ばなかったとはいえ、確かに、かなりの美貌の持ち主ではあったけど。でも、『ウラナイ営業』は、それこそ意味不明だ)」
と、ビエール・トンミー氏が、知らず知らずの内に、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の翻弄されていると、エヴァンジェリスト氏から、遠い過去を思い出させるiMessageが入ってきた。
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「アンタあ、ワシが、高校の頃、『占い』を勉強しとったん覚えとるんじゃろう?」
「せやったかのお?」
「ワシ、高校の頃、『野末陳平』の姓名判断の本を読んで勉強したり、『浅野八郎』の手相入門みたいな本を読んで勉強しとったけえね。易とか人相判断も勉強したんじゃないかあ、とも思うで」
「アンサン、あの頃から妙なもんに興味持ってたんやな」
「ワシのクラスいうか、『広島皆実高校』の場合は『ホーム』じゃけど、3年生の時、文化祭で『占い』をしたんも、ワシが仕掛けたんよ」
「アンサンがなんか、隠遁者みたいな妙な格好を文化祭でしとったような気がするで」
「アンタあ、それで、『ウラナイ営業』のことを『占い営業』じゃあ、思うたんじゃないん?」
「なんか知らへんけど、兎に角、意味不明や。アンサンのアイコラもいつも意味不明やけどな」
「そりゃ、『占い営業』いうたら、『占い』を営業することなんか、お客さんにサービスで『占い』をしたげる営業のことともとらられるじゃろうけえね」
「どっちゃでも、ワテには関係あらへん」
「まあ、どっちでもないけえね、『ウラナイ営業』は」
「はああん?」
「じゃって、『ウラナイ営業』は『占い営業』じゃないんじゃけえ」
「アンサン、また関係ないこと説明してたんか」
「アンタが、『ウラナイ営業』を『占い営業』と勘違いしたらいけん思うたんよ」
「勘違いせえへんて」
「ああ、アッチの方じゃあ、思うたんじゃね?」
「『アッチの方』?」
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「(なんだ、『アッチの方』って?また、オゲレツの臭いがする)」
と、ビエール・トンミー氏は、どっちの方を見ても『アッチの方』がどっちなのか分らないものの、鼻の頭の方に淫靡な風がそよいで来るのを感じた。
(続く)
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