「(台風10号が、ちょっと心配だが…)」
と、ビエール・トンミー氏が、iPhone14Proの画面に天気予報の台風情報を出し、眉間に『への字』のシワを寄せていると、友人のエヴァンジェリスト氏か勘のよいiMessageを送ってきた。
====================================
「ああ、もう直ぐ納車なんじゃね。確か、8月納車じゃったけえ、今週中なん?」
「そのはずやったんやけど、まだワテの『松ベンツ』の納期は未定なんや。どうも8月下旬に日本到着して、日立の整備拠点に陸揚げして、整備完了が9月上旬になりそうなんや。7月末に、ヤナセから連絡があって、ドイツのジンデルフィンゲン工場で、2月に注文したクルマが完成したという報告が来た、いうことやったんや」
「ありゃ、それなのにまだ日本に来んの?」
「自動車輸送専用船に乗せて運んでくるちゅうことで、国際情勢でスエズ運河が通れへんさかい、アフリカの希望峰(!)周りのルートになるんで、約1ヶ月くらい輸送日がかかるんやそうや。アフリカの希望峰やで。希望峰!バスコ・ダ・ガマの世界や。大航海やで」
「おお、アンタともあろう者があ」
「なんや、文句あんのか!ワテはなあ、一日千秋の思いなんや」
「ああ、アンタ、『アストンマーティン』にも、ちょっとだけ関心があるんじゃね?」
「また来たで。意味不明や。なんでここで、『アストンマーティン』が出てくんのや?」
「じゃって、『一日千秋』なんじゃろ」
「やからあ、『一日千秋』がどないして『アストンマーティン』になんのや?」
「ワシが知っとる限り、『千秋』は、『アストンマーティン』に乗っとるらしいで」
「は?『千秋』だれや?『ちあきなおみ』なら知らんことないけど、『ちあきなおみ』が『アストンマーティン』に乗ってんのか?」
「ええ!?そうなん?」
====================================
「(しまったあ。また、やってしまった)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の戯言についつい付き合ってしまった自分を責めた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿