「(じゃあ、アイツ、どう方向転換するんだ?あ、いかん、いかん)」
と、ビエール・トンミー氏が、自身が疑問を抱いたことを失態と認識した時は既に遅く、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から二の矢のiMessageが飛んできた。
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「アンタ、勘違いしんさんな。ワシ、『バスコ・ダ・ガマ』で『ガマガエル』とボケるつもりもなけりゃあ、『バスコ・ダ・ガマ』で『パスコ・ダ・ガマンデキン』とボケるつもりもないけえ」
「『パスコ』!?」
「おお、思い出したん?」
「『パスコ』て、パン屋やな?」
「我慢できんかったんじゃろ?」
「また、意味不明や。あ、でも、説明いらへん」
「と、誤魔化すつもりなんじゃね」
「何を誤魔化すちゅうんや?」
「『ヴェリテ』さん、いうんじゃったかのお?」
「『ヴェリテ』….はっ、『ヴェリテ』はん?!」
「ふふ。懐かしいん?『パスコ』の店員じゃったんじゃろ?」
「ああ、あの娘か。スゲー可愛い娘で、ワテが会社の帰りにいつも買うてると、お馴染みになってオマケにバンをくれるようになって、一言二言話すようになったんや」
「オマケにもろうたんは、パンだけなん?」
「『パスコ』には、特別なグッズ、ノベルティちゅうんか?そないなもんあらへんかった、と思うで。『不二家』なら、『ペコちゃん』があるんやろけど」
「今、『パスコ』は、『リサとガスパール』いう、『ゲオルク・ハレンスレーベン』いう絵本作家の絵本に出てくる動物をCMに使うたり、キャラクター・グッズにしとるみたいで。で、『リサとガスパール』は、何の動物なんか、知っとる?」
「知るかいな」
「画像を見ると、犬みたいでもあるし、でも、耳が長いけえ、ウサギみたいに、ワシには見えるんよ」
「どうでもエエがな」
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「(ふん!くだらん。まあ、アイツの話は、いつもくだらんが、『リサとガスパール』か何か知らないが、犬だろうとウサギだろうが、本当、どうでもいい)」
と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、犬のような、でもウサギのような動物はどんな動物なのか、思わず、想像してしまっていた。
(続く)
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