「(アイツのボケに付合うつもりはないが、『岸洋子』て、えーと…誰だったかなあ?)」
と、ビエール・トンミー氏が、迂闊にも、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のボケに乗りかけていると、エヴァンジェリスト氏から、更に意味不明で、翻弄してくるiMessageが入ってきた。
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「あ、『岸洋子』いうてもアンタと同い年じゃった男のお母さんのことじゃないけえね」
「ふん!ワテの同級生は勿論、知り合いにも、『岸』いう人間はおらへんで」
「『デンデン』(云々)よおねえ」
「『デンデン』(云々)...あ、あの男か!あの男は、『岸』いう名前やあらへんかったやないか」
「お母さんは、昔、そう、結婚前は(要するに、旧姓は)、『岸』じゃったじゃないねえ」
「ああ、そういうことなんやな。相変らず回りくどい云い方やで。なんにしても、ワテは、あの男やあの男に関することは、話しとうあらへん」
「ワシも、あの男やあの男に関することは、話したいんじゃないんよ。『岸洋子』いうてもあの男のお母さんのことじゃないんじゃけえ。『ニキカイ』とも関係のあった『岸洋子』のことを云うとるんよ」
「『ニキカイ』?」
「でも、『林家三平』とは関係ないけえ」
「またや。また、『関係ない』云うて、『関係ない』話に持ってくんや」
「『ニキニキニキニキ二木の菓子』とは関係のうて、『どうもすみません』」
「ふん!くだらんちゅうか、『二木の菓子』で『ニキカイ』は、相当無理があんで」
「そうらしいんよ。『岸洋子』は、『ニキカイ』続けるん、無理があったらしいんよ」
「意味不明や」
「『岸洋子』は、東京藝大声楽科の出身での、在学中に『二期会』の研究生になって、オペラ歌手を目指したけど、病気で断念し、シャンソン歌手となったんじゃと」
「ああ、歌手やな。歌手の『岸洋子』のことやったんやな。せやったら、端からそう云うたらエエんや。けど、歌手の『岸洋子』が、なんやちゅうねん?」
「じゃけえ、ワシ、『岸洋子』な気分になるんよ」
「またまた意味不明や」
「じゃって、アンタ、ワシに、<『希望峰』を知らん訳ないやろ>と云うたじゃないねえ」
「ああ、云うたで。で、アンサン、『希望峰』を知らんと云い張ったんや」
「じゃけえ、『岸洋子』みたいに、『♩きぼ~というなのお』いう気分なんよ。汽車に乗って『希望というアナタ』を訪ねようかあ、思うんじゃけど、『希望というアナタ』はどこに行ったか、分からんのんよ」
「はあああ~ん?」
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「(ああ、回りくどいし、説明もくどいし、本当にイライラさせる奴だ)」
と、ビエール・トンミー氏は、iMessageの文字で『♩きぼ~というなのお』と唄って来た友人のエヴァンジェリスト氏へのイライラから、iPhone14 Proを持たぬ左手で、頭をゴリゴリと掻いた。
(続く)
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