「(しかもだ。どうして、ボクが『出川哲朗』の肩を持つようなことを云わないといけないんだ?)」
と、ビエール・トンミー氏が、関心のないタレントから、腕組みされてきてたじろぐ自身の像を脳裡に浮かべていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、妙な言い訳のiMessageが入ってきた。
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「あののお、ワシが、『七色仮面』の正体は『出川哲朗』じゃない、云うんは、『出川哲朗』の実家の商売は、果物屋じゃのうて、『のり問屋』じゃけえなんよ」
「ああ、もうエエ。意味不明や。要するに、アンサンの云うとる『アラーの使者』ちゅう奴が、『七色仮面』の次、ちゅうことは、な~んや、『アラーの使者』は、テレビ・ドラマのことかいな?」
「『カバヤン王国』の『ココナツ殿下』なんかが、悪もんに襲われた時に助けに来るんよ」
「また、妙ちくりんな名前やでえ。何が、『カバヤン王国』や、何が『ココナツ殿下』やねん。巫山戯た名前つけやがって!」
「アンタあ、やめんさい!迂闊なこと云いんさんなよ。『池田基煕』さんに怒られるし、戯けたこと云うとったら、昔じゃったら、『不敬罪』で、アンタ、逮捕されるところでえ」
「また、知らん名前を出してきたり、意味不明の御託云うてくるやないか」
「アンタ、まさか、『フケイ罪』を『婦警罪』じゃと、勘違いしとらんじゃろうねえ?『婦警』さんに『なんか』して、『婦警』さんに逮捕される罪のことじゃないんよ」
「アホか。いや、ワテのこと、アホと思うてんのとちゃうやろな。どこの誰が、『不敬罪』を『婦警罪』やと思うねん。それに、なんや、『婦警」さんに『なんか』して、云うて、『なんか』て何なんや?云うてみいな、ほれ、云わんかい、ワレええ!」
「アンタ、フランス語ばっかし堪能になって、日本語が分らんようになっとるん?なんか分からんけえ、『なんか』いうとるんじゃないねえ」
「アホらしいさかい、もうエエわ。あんなあ、アンサン、分ってて云うてんのやろけど、『不敬罪』ちゅうんは、皇族なんかの高貴な人の名誉を傷つけたりする罪のことやで。ワテの周りのどこに、そないな高貴な方がいらはるんや?」
「皇族なんかが、どうして高貴なんか知らんけど、まあ、皇族なんかが高貴じゃという前提で云うとじゃのお、ワシ、じゃけえ、『池田基煕』さんに怒られる、云うとるじゃないねえ。『池田基煕』さんは、元々は、『野津基煕』さんじゃったけど、昭和天皇第四皇女の『池田厚子』さんと養子縁組して、『池田厚子』さんの息子になったけえ、今の天皇の従兄なんじゃけえ」
「そないな事情、知るかいな。それに、その『池田基煕』はんが、どんだけ高貴なお人になっても、ワテとは関係あらへんお人や」
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「(アイツ、いや、アイツの方が、よほど『不敬罪』だ)」
と、ビエール・トンミー氏は、眉を顰めたが、同時に口も『への字』となり、その表情は、もうあと何日かで70歳になる老人そのものと云えるものであった。
(続く)
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