2024年9月12日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その609)

 


「(あの『パスコ』の娘とは、本当に何もなかったんだ。まあ、『その気』が全くなかったと云えば、嘘になるかもしれないが)」


と、ビエール・トンミー氏の視線が自然に股間に落ちた時、友人のエヴァンジェリスト氏から、懲りない疑念のiMessageが入ってきた。



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「ふ~ん。偶然のお。で、その偶然の後、『もう少し静かに話せるところにでも行きませんか』と云うたんやな」

「妄想はいらん」

「ああ、そう妄想せんで、直ぐ行動に移したんじゃね!」

「ちゃう、行動には移さへんかったんや。いや、ちゃう、ちゃう。そもそも妄想なんかしーへんかったんや、確か]

「『確か』?」

「五月蝿い!妄想してんのは、アンサンや。ワテと『ヴェリテ』はんは、ただ電車中で隣になって、話しただけや。『津田塾大学』英文学科の学生で、KDDで海外通話の交換手のアルバイトもしてる、と話くれたんや」



「ほんまに、それだけなんか?」

「まあ、その後も、何回か、電車で一緒になったことがあって、その内の一回は、ワテが帰省の為に岡山から新幹線で帰って来て、その時の電車で会うたんや」

「奥様は、アンタと『ヴェリテ』さんの『逢瀬』のことは、知っとってんねえ?それとも、内緒にしとるん?」

「家内は、知らへんで。結婚前のことやし、『ヴェリテ』はんとは、別に何もなかったんやさかい、家内には話すも話さないもないんや。内緒話にするまでもないことや」

「それにしても、そうように何回も偶然に会うもんかのお」

「会うたんやから、しゃあないやないか」


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「(確かに、アイツの云うことにも一理はある。あんなに何回も、あの娘と偶然に会うものだろうか?)」


と、ビエール・トンミー氏は、普段は馬鹿にしているアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の論を、ふと認めてしまっていた。


(続く)






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