「(だけど、どうして、カバなんだ?『カバヤ食品』が、岡山の企業だったことは知らなかったが、岡山は、別にカバで有名ではないはずだし…)」
と、ビエール・トンミー氏が、ふと、桃太郎がお付きの動物として、犬、猿、キジの他に、カバも従えていた図を思い描いていると、その想像を盗み見たかのようなiMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。
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「でも、岡山出身の桃太郎がカバを従えとったけえ、いうことはないけえね。勘違いしんさんなよ」
「だ、だ、誰が、桃太郎がカバを従えとったあ、なんてアホなこと思うんや?!」
「そう思うんが、アホかのお?ワシは、『桃太郎がカバを従えとった』けえ、岡山の企業である『カバヤ食品』は、『カバヤ食品』にした、いう方がええ思うけどのお」
「どうでもエエがな」
「アンタあ、『カバヤ食品』のHPには、社名の由来について、『「おとなしく、平和を愛する」というイメージがあり、平和な社会を建設するという国民の気持ちにピッタリ一致し、また、カバの大きなお口においしいものがたくさん食べられる時代を願っていたことから、カバを社名にしました』とあるけど、アンタ、それでええ思うん?」
「それでエエやないか。それに、ワテやアンサンが、どう思おうと、そういうことで名前を『カバヤ食品』にしたんやから、それでエエもくそもあらへん」
「でものお、カバは、『となしく、平和を愛する』ような動物なんじゃろうか?確かに、体つきはポッチャリしとるし、水の中での~んびりしとる感じから、平和そうな動物に見えるんじゃろうけど、実は、走るんはかなり速いし、ライオンなんかにも噛み付くくらい凶暴らしいんよ」
「ああ、そういうたら、そないなこと聞いたことあるよな気もするで」
「まるで、アンタみたいじゃ」
「は?ワテが、カバや云うんか?!」
「一見、平和を愛するジェントルマンで、その実、獲物(綺麗なオナゴじゃ)を見つけたら、『ウゴーッ!』と襲いかかって行くんじゃろ?」
「な、な、なんで知ってんねん!?」
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「(しまった。アイツの手に...確かに、ボクは、『獲物』は逃したことない。でも….)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に、自身の裏の顔を知られていることに動揺しながらも、その動揺の中に無念さを滲ませた。
(続く)
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