「(あの頃の『味の素』は、『AjiPanda®️』の瓶ではなかったけど、今と同じように卓上用の瓶入りもあった。でも、缶入りのものあった….)」
ビエール・トンミー氏の眼差しは宙に向き、昭和41年の宇部に飛んでいた。
「(母が、『お漬物に味の素をかけてね』と云っていた。小学生のボクは、何故、漬物に味の素をかけるのか分らなかった。でも、何の疑問を持つこともなく、母の言葉に従った。まだ、純粋であった。変態ではまだなかった、多分….)」
小学生時代をビエール・トンミー氏は、山口県宇部市で過ごしたのだ。
「(琴芝小学校では、ただただ鶏の世話をしていただけだった)」
その時、
「ごめんね」
という声が聞こえた。
「(え?『ごめんね』?……..)」
『ごめんね』と云ったのは、松坂慶子に酷似した女性であった。『ユキ』と呼ばれた少女の隣に座ったものの、少し近く座りすぎ、少女に肘が軽く当ったのだ。そこで、『ごめんね』と云ったのであった。
しかし…….
昭和41年の宇部にワープしていたビエール・トンミー氏の耳には、
『ごめんね、ジロー』
という歌が聞こえてきていた。
「(奥村チヨ……)」
そう、奥村チヨの歌が聞こえていたのだ。
「(いや、ボクは、奥村チヨが好きだった訳ではない)」
『ごめんね、ジロー』
「(いや、奥村チヨの容姿は小悪魔的であったが、アソコが『反応』したのはそのせいではない…..はずだったけど….)」
『最初は、好きーだとお….』
「(え!?『恋泥棒』…..)」
そうだ。今度は、奥村チヨの『恋泥棒』という歌が聞こえてきたのだ。
「(ど、ど、どうして…..?)」
(続く)
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