「(でも、ああ、確かに……)」
もう、『ユキ』と呼ばれた少女にも、『松坂慶子』に酷似した女性にも、誰に云うでもなく、ビエール・トンミー氏は、認めざるを得なかった。
「(ボクは、『松坂慶子』(正しくは、『松坂慶子』に酷似した女性)にも、『ユキ』ちゃんにも、『反応』した)」
項垂れたビエール・トンミー氏は、目の前の皿に残った回鍋肉を見ていた。
「(ボクは、『松坂慶子』に関心はない、というよりも、本物の『松坂慶子』さんには申し訳ないが、『松坂慶子』を好きではない(正しくは、松坂慶子さんが、NHKの朝ドラ『まんぷく』で演じる女性を、であるが)。Blog『プロの旅人』に『松坂慶子』と云う文字が出てくるだけで、『プロの旅人』氏に抗議して来たくらいだ)」
確かに、この『【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る』シリーズ連載中に、ビエール・トンミー氏から幾度もiMesageで抗議が来た。
「(ボクは、若い娘が好きだ。でも、ロリコンではない。好きなのは、20歳以上だ。いや、それは少し前までで、ここ数年は、自分が歳をとった分、30歳以上の女性でないとダメになった。だから、中学生の女の子なんて、ボクの『範疇』ではないんだ)」
ビエール・トンミー氏は、デビューしたばかりのアグネス・チャンの大ファンであった。当時、アグネス・チャンは17-18歳であったが、ビエール・トンミー氏自身、まだ19-20歳であったので、17-18歳の女の子を好きになったとしても、ロリコンとは云えない。アグネス・チャンの後、ビエール・トンミー氏が20歳未満の女性を好きになったことはない(はずだ)。
「(でも、確かに、ボク、いや、もう一人のボク、股間の『ボク』は、『松坂慶子』にも少女『ユキ』ちゃんにも『反応』してしまった。ああ…..)」
ビエール・トンミー氏は、『己を見る男』である。エヴァンジェリスト氏が、フランソワ・モーリアックを題材とした修士論文で訴えたかった『己を見る』という行為を体現する男であった。
(続く)
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