『内田有紀』に酷似した女性は、手慣れた手つきで「Cook Do®️」＜回鍋肉用＞をフライパンに入れ、娘が炒めた豚肉と長ネギに絡める。
「パパって、ホイコーロー大好きなんだよね、ママあ」
『ユキ』と呼ばれた少女が、母親に身をすり寄せ、甘える声で云った。
「（パパ……そうか、ご主人がいるんだ。子どもがいるんだから、当り前だけど…..）」
眼の前の母娘を見ながら、ビエール・トンミー氏は、口中で呟いた。
「そうねえ、パパは、結婚した頃から好きだったわねえ」
片手で揺らすフライパンから食欲を誘う匂いを漂わせながら、母親が答えた。
「（『結婚した頃』…….『有紀』さん…..んぐっ！）」
新婚の『内田有紀』を思い浮かべ、それも、若い夫の裸の胸に頬を寄せる『内田有紀』を思い浮かべ、ビエール・トンミー氏は、またもや股間に『異変』を生じさせた。
（続く）
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