2018年12月3日月曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その44]







「(え!?牛田?)」

川崎の『味の素うま味体験館』にいるはずのビエール・トンミー氏の眼には、中学生の自分の姿が見えていた。

『いーちどだけ、お茶なんかあ....ん』

「(やっぱり、『恋泥棒』…..)」


『ごめんね、ジロー』に続き、奥村チヨのヒット曲が聞こえてきていたのだ。

「(牛田中学でも、ボクは純粋であった)」

小学生時代を山口県宇部市で過ごしたビエール・トンミー氏は、中学生になる時、親の転勤で広島市に引っ越した。住まいは、牛田、学校は、牛田中学であった。

『にーどがさんど…』

「(んぐっ!)」

その時、ビエール・トンミー氏は、自分が股間を抑えたことに気付いていなかった。

「(あ、あ、あ、….網タイツ!)」

そうだ!奥村チヨは、網タイツを履いていた。

『すーきに….』

「(んぐっ!)」

『恋泥棒』のレコード・ジャケットの奥村チヨは、網タイツを履いていたのだ。

「(そうだ…あの網タイツを見た時から、ボクは変態になったのかもしれない…..」

『アナタのことぅを』

という歌声と共に、奥村チヨが、こちらを指差した。

「(んぐっ!んぐっ!)」

ビエール・トンミー氏は、より強く股間を抑えた。

「え!?なんで?」


(続く)


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