「アタシ、できるかなあ?」
フライパンを手にした『ユキ』と呼ばれた少女は、それまでの容赦ない姿勢が嘘のような弱気な言葉を発した(容赦なさを知っていたのは、ビエール・トンミー氏だけであったが)。
「大丈夫よ、ママが教えてあげるから」
『内田有紀』に酷似した女性は、娘に優しい言葉をかけた。
「(ああ、やはり『有紀』さんだ……..)」
『ユキ』と呼ばれた少女の担当は『豚肉と長ネギ炒め』である。
「(んぐっ!)」
豚肉と長ネギを一心不乱に炒める少女の横顔を見て、ビエール・トンミー氏の股間は、密やかに呻き声を上げた。
「(ああ、『有紀と太陽と月と』の頃の『有紀』さんだ)」
「はい、今度はママね」
3番バッターは、『内田有紀』に酷似した女性である。
(続く)
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