2018年12月8日土曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その49]







「あらま、やはり年齢を重ねた方がお好きなのねえ」
「(ん?)」

両手で股間を抑えたまま、ビエール・トンミー氏は、唇の間から舌を出して、少しく唇を舐めた『松坂慶子』に酷似した女性から、その隣の少女に視線を横にずらした。

「(違う…)」

その声は、『ユキ』と呼ばれた少女のものではなかった。

「(言葉つきも違う….大人な感じだ….まさか….)」

視線を更に横にずらした。

「(んぐっ!)」

『ユキ』と呼ばれた少女の母親だ。そう、『内田有紀』に酷似した女性が、こちらに視線を送っていた。視線で声を送ってきたのだ。

「(んぐっ!)」

そして、『内田有紀』に酷似した女性は、飲みかけであったらしいカップの味噌汁を飲み干し、唇の間から舌を出して、少しく唇を舐めた



「(んぐっ!....んぐっ!んぐっ!)」

ビエール・トンミー氏は、両手で抑えるだけでは股間の異常を抑えきれず、座ったまま上半身を前屈した。

「あら、アータ、どうしたの?お腹でも痛いの?」

その様子を見て、マダム・トンミーが心配した。

「う、う、うーっ。い、いや、大丈夫だ。ちょっと腰が痛くて」

ビエール・トンミー氏は、股間を抑えていた両手の内、右手を股間から外し、体の後ろに回し、腰を数回叩いてみせた。

「あら、ご主人、大丈夫?」
「え?」

『内田有紀』に酷似した女性が、声をかけてきたのだ。本当の声で、である。

「痛い程、腰をお使いですの?」
「え?え?ええー?」


(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿