「アータ、大丈夫?」
マダム・トンミーが、まだ少しぼんやりしている様子の夫が心配で声をかけた。
「(エプロンをしていて良かった…..)」
ビエール・トンミー氏の股間は、まだ異変が生じていたままであったのだ。
「(エプロンでなんとか隠せる)」
ビエール・トンミー氏の役割は、『キャベツ炒め』である。
「あら、ご主人、お上手ですわ!」
ビエール・トンミー氏が『キャベツ炒め』をする手つきを見て、『内田有紀』に酷似した女性が、感嘆の声を上げた。
「(んぐっ!んぐっ!......褒められるのは、嬉しいが、マズイ!)」
ビエール・トンミー氏は、フライパンを持つ手で股間を必死に隠した。
「隠しても、横から見たら、分かるわよ」
『ユキ』と呼ばれた少女は、容赦ない。
「(うっ!)」
ビエール・トンミー氏は、立ち位置を変えた。
「まー、貴方って、料理しながら『腫らし』てるの!?アタシのせいなのね」
しばらく大人しかった、松坂慶子、いや、『松坂慶子』に酷似した女性が勘違いをした。
「(いや、ボクは、60台の女性には……)」
と反論しかけたところ、
「アータ、キャベツはもういいの。今度は私よ」
2番バッター(2番目の調理担当)は、マダム・トンミーであった。
(続く)
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