2018年12月25日火曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その66]







「(は?)」

ビエール・トンミー氏は、声の方に、心に聞こえてくる声の方に顔を向けた。

「貴方っていう人は、また私を見て興奮してらしたの?」

『松坂慶子』に酷似した女性が、怒ったようでもあり、悦んでいるようでもある表情でこちらを見ていた。

「(え?ええ?)」
「私が、おにぎりを咥えるところでも見て、『想像』してたのねえ」



「(一体、何を『想像』するんですか?)」
「まあ、恥ずかしい!そんなことを私に云わせるの!」

『松坂慶子』に酷似した女性は、少女のように頬を紅に染めた。その瞬間、

「(んぐっ!)」

ビエール・トンミー氏は、まさに、今度は、『松坂慶子』に酷似した女性で『想像』したのだ。

「あああ、もうイヤ!ホント変態!ママで興奮したと思ったら、今度は熟女で興奮なの!」

『ユキ』と呼ばれた少女は、ビエール・トンミー氏と『松坂慶子』に酷似した女性との『やり取り』を聞いていたのだ。

「(いや、ボクは、『松坂慶子』には関心はない……)」
「今度はまた、アタシで興奮するの?このロリコン!」

向かいに座る3人の女性に翻弄され、ビエール・トンミー氏は、打ちのめされ、肩を落とした。

「(違うんだ…..ボクが気になっているのは、『有紀』さんだけなんだ)」

と言い訳しながらも、己を見る男であるビエール・トンミー氏は、こう認めざるを得なかった。

「(でも、ああ、確かに……)」


(続く)



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