(住込み浪人[その20]の続き)
「何、気取ってんのさ!アンタ、そこの『住込み浪人』だろお?」
OK牧場大学の学生食堂のカレー担当のオバチャンが、そう云ってカウンターに唾を飛ばした時、開いた口から2本の銀歯が光った。
「(それはそうだが……スミロー…?ああ、『住(込み)浪(人)』か….学食のオバチャンまで略…)」
と、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、口の中、いや、そのもっと奥で、呟くと、
「あたしゃ、あんたのオバチャンじゃないよ!」
オバチャンが、更に唾を飛ばしてきた。
「(え!オバチャン、心が読めるのか?.....おお、そう云えば、このオバチャン、本当にオバチャンか?オジチャンに見えるなあ)」
「あたしゃ、オバチャンだよ。本物の『女』だよ。何だったら、見るかい?」
「えっ!?」
「うふん!」
と、オバチャンは、ウインクをしてきた。
(続く)
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