2019年3月16日土曜日

住込み浪人[その26]








「(マズイ!)」

と、思った『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、OK牧場大学の学生食堂のカレー担当のオバチャンから渡された紙切れを、ズボン、いや、ジャージに見えるが実はパジャマのズボンのポケットにねじ込んだ。

「(いや、何がマズイんだ?)」

と思いながらも、胸の動悸を抑えることはできなかった。



「(違う!違う!)」

と、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、自身の気持ちと体との矛盾を打ち消すように、ポーク・カレーを口に頬張りこんだ。

「(美味い!)」

OK牧場大学の学生食堂のポーク・カレーを味わう内に、動悸がおさまっていった。

すると、周囲の学生たちの会話が耳に入るようになってきた。

「お前、今度の『オーハン戦』行くの?」
「ああ、モチ、行くさ」

2人の男子学生の会話であった。

「(そうかあ、ココでは、『オーハン戦』と云うのかあ)」


(続く)




0 件のコメント:

コメントを投稿